「自分が間違っていなかったと、いま証明できている」鎌田大地、自らつかんだ現在地と自信|サッカー日本代表強化試合 vs. メキシコ・アメリカ
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「自分が間違っていなかったと、いま証明できている」鎌田大地、自らつかんだ現在地と自信|サッカー日本代表強化試合 vs. メキシコ・アメリカ

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サッカー日本代表は、日本時間9月7日に世界ランク13位のメキシコ、9月10日に同15位のアメリカと強化試合を行う。来年に迫ったW杯の開催地でもある、アメリカに遠征しての連戦。プレミアリーグのクリスタル・パレスで2季目を迎え、FAコミュニティ・シールドですでに今季最初のタイトルも手にした鎌田大地は、今回の連戦をどのような機会と捉えているのか。スポーツライターのミムラユウスケが聞き手となり、今の心境を独占インタビューで訊いた。


──フランクフルト時代にもプレシーズンなどでアメリカに来ていますが、観客の雰囲気にはどのようなイメージがありますか?

鎌田:サッカーもそうですし、バスケットボールの試合を観戦した経験もありますが、やはりヨーロッパの雰囲気とは違いますね。エンターテイナー性があるというか、アメリカ独特の雰囲気だなと感じています。

──中南米のチームとの対戦は、W杯本戦さながらの激しい雰囲気になるかと思います。プレミアリーグの強度でプレーしている今、そうした激しさへの怖さはないですか?

鎌田:南米系のチームには、ヨーロッパやアジアとはまた違う激しさがあると思います。僕自身はこれまで様々な場所でプレーさせてもらっていますし、キャリア的にもある程度の経験は積んできているつもりです。なので、雰囲気の部分で問題になることはないと考えています。

──対戦相手であるメキシコ代表には、どのような印象を持っていますか?

鎌田:メキシコはほんの数年前まで、僕たちからすると格上のチームという印象でした。いいサッカーをしますし、フィジカルが圧倒的なわけではないですが、選手一人ひとりの足元の技術が高く、すごく良いチームというイメージでした。

ですが今は同等というか、自分たちの方が上だとも思えるレベルに、日本代表もなってきていると感じます。そういったメンタル面での問題はないですね。FIFAランキングを見ても、日本代表と同じような立ち位置にいるチームなので、本当に五分五分の良い勝負ができるのではないでしょうか。

相手のメンバーを見ても、僕たちが普段プレーしているリーグの選手がいますし、僕の所属チームにはアメリカ代表のキャプテン(クリス・リチャーズ)もいます。昔は「ビッグクラブでプレーしているすごい選手がいるな」という感覚でしたが、今はそういった部分は特になくなりましたね。

──今回の代表ウィークの前に、そのチームメイトと何かやりとりはありましたか?

鎌田:彼はディフェンダーで、僕とマッチアップすることも多いので、「最初のプレーで削るからな」というような話はしました(笑)。まあアメリカンジョークだと思います(笑)。

──ヨーロッパでのキャリアも長くなり、様々なリーグを経験してきました。ご自身のプレーについて、現在どのように感じていますか?

鎌田:ヨーロッパに来てから時間も経ち、色々なリーグでプレーさせてもらっています。改めて思うのは、自分の実力の中で特に秀でているもの、何か特別な武器があるわけではないということです。

ただ、どのリーグ、どのレベルに行っても、ある程度はやれるなという手応えは感じています。どこでもやれる、というのは自信にも繋がっていますし、そうした心の持ちようはすごく大事なことだと思います。そういう意味で、今はある程度余裕があるというか、気持ちの面で良い状態なのかなと感じますね。

──日本代表でも、鎌田選手のポジションによってチームの戦い方が大きく変わります。トップ下なのか、ボランチなのか。その役割はやりがいに繋がっていますか?

鎌田:やりがいというか、僕自身はヨーロッパに来る前からずっとボランチをやりたいと言ってきました。そして、実際に自分が言ってきた通りになってきています。結局、自分のことを一番分かっているのは自分自身なので。

そういう意味で、自分が昔から間違っていなかったというのは、いま証明できていると感じています。チームがどういう戦い方をするかによって、自分にとってのベストなポジションは変わりますが、どちらもできるというのは選手として良いことだと思います。

──今おっしゃった「自分が言ってきた通りになってきている」というのは、具体的にどういうことですか?

鎌田:たとえば高校生の時なんて、「戦えない」「走れない」とよく言われていました。プロになってからも「守備ができない」「戦えない」と。常にそうしたイメージを持たれ、言われ続けてきました。

それこそ、ドイツでボランチをやることになった時も、現地のメディアからは「できるわけがない」と。でもそうした周りの印象を、自分自身で変えてきたと思っています。今では、自分がなりたいと思っていたプレーが、だいぶできるようになってきています。なので、自分自身の選択が正しかったことは、しっかりと証明できているのではないかなと思います。

──フランクフルトで共に戦った長谷部誠選手(現・日本代表コーチ)は、今のプレミアリーグでの活躍を見て何か声をかけてくれましたか?

鎌田:いや、何も言われないですよ。僕に対しては、かなり厳しいので(笑)。今回も膝を怪我したタイミングで、心配するどころか、代表のマネージャーを通じて「復帰した試合では、ちゃんと球際に行くように伝えとけよ」と伝言がありました。いつもそんな感じです。

──今後の日本代表が、さらに上のレベルで戦っていくための課題は何だと思いますか?

鎌田:やはり守備の部分ですね。相手のレベルが上がった時に、今のようにより攻撃的なメンバーで、これまでアジアでできていたようなサッカー、自分たちがやりたいサッカーがどれだけできるか。そこが大事になってくると思います。大きな大会になればなるほど、得点を取ること以上に、失点しないことの重要性が増してきますから。

攻撃に関しては、今の日本代表は世界的に見ても良いメンバーが揃っていると思いますし、どんな相手とやってもある程度の形は作れるはずです。だからこそ、守備が非常に大事な部分になってくる。そこでどれだけやれるかが鍵になるのではないでしょうか。

──最後に、W杯開催国でもあるアメリカでの2試合に向けた意気込みをお願いします。

鎌田:ワールドカップがこちらで開催されるということで、会場の雰囲気や気候、そして移動といった、普段とは違う環境を経験できるのは、チームにとってすごく良いことだと思います。代表チームとして活動できる時間は決して多くありません。この貴重な2試合を良いものにして、チームとして少しでも成長していけるように頑張りたいです。


【第1戦:日本 vs. メキシコ】
配信日時:2025年9月7日(日)AM 11:00 K.O
配信形態:U-NEXT月額会員、およびサッカーパック加入者は追加料金なく視聴可能
会場:オークランド・コロシアム(オークランド/アメリカ)

【第2戦:日本 vs. アメリカ】
配信日時:2025年9月10日(水)AM 8:37 K.O
配信形態:無料(U-NEXTアカウントを所持していなくても視聴可能)
会場:Lower.com フィールド(コロンバス/アメリカ)

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