ガチ勢いちおし!カッコよくて面白いカン・ドンウォン主演映画5選
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ガチ勢いちおし!カッコよくて面白いカン・ドンウォン主演映画5選

2025.06.19 12:00

この記事に関する写真(6枚)

  • プロット 殺人設計者
  • 彼女を信じないでください
  • チョン・ウチ 時空道士
  • 群盗
  • プリースト 悪魔を葬る者

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突然だが、筆者は一つ確信していることがある。それは、年内にカン・ドンウォンのファンが著しく増加することだ。SNSを眺めている上での肌感覚として、韓国ドラマを入り口に俳優の熱狂的なファンとなり、ドラマ/映画を網羅する方は非常に多い。その点で、俳優活動初期の3作品(『威風堂々な彼女』『1%の奇跡』『マジック』)以降ドラマに出演してこなかったドンウォンは、潜在的なファンを取りこぼしていた可能性が高い。

しかし、今年約20年ぶりとなる“ドラマ”、『北極星(原題)』に出演決定!W主演はチョン・ジヒョン(ドラマ『星からきたあなた』など)で、監督はキム・ヒウォン(ドラマ『涙の女王』など)、脚本はチョン・ソギョン(ドラマ『シスターズ』など)と、成功が目に見える布陣が揃っている。スパイサスペンスものでドンウォンは謎めいた国際特別捜査官役とのこと、間違いなく素敵で無敵な姿で多くの人たちを沼落ちさせることだろう。

そもそもカン・ドンウォンとは何者なのかをすっ飛ばしていたので改めて紹介しよう。作品発表会などでエッジの効いた装いをモノにしている姿からも察することができるように、彼はその驚異的な頭身、端正なルックスを活かし、1999年にモデルとしてキャリアをスタートさせた。多くのハイブランドからラブコールを受けるほどの売れっ子になるが、スパッとモデル業を断って俳優へ転向。そして2003年、ドラマ『威風堂々な彼女』でデビュー。ペ・ドュナ演じる主人公の初恋相手をフレッシュに演じた。

2004年には映画『彼女を信じないでください』でスクリーンデビューし、その次に出演した映画『オオカミの誘惑』の不良少年テソン役で大ブレイク。テソンが追っ手から逃げるために主人公の傘の中に入る場面は未だにオマージュの絶えない名シーンとなっている。

その後は兵役期間を除き、ほぼ毎年主演映画が公開。死刑囚(『私たちの幸せな時間』)、北朝鮮工作員(『義兄弟 SECRET REUNION』)、少年の心を持つ青年(『隠された時間』)、超能力者(『超能力者』)などの難解な役もこなし、近年で言うと、ヨン・サンホ監督のゾンビ映画『新感染半島 ファイナル・ステージ』や、ペ・ドュナとの再演を果たした是枝裕和監督作品『ベイビーブローカー』など、ブロックバスター作品から社会派作品まで幅広く出演している。

6月20日からは、主演映画『プロット 殺人設計者』が新宿バルト9ほかで全国公開される。

プロット 殺人設計者
© 2024 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & ZIP CINEMA. All Rights Reserved.

同作は、依頼を受けて事故死に見せかけた代行殺人を行う“設計者”チームの物語。通常通り任務にあたる最中、想定外の事故が発生し、チームが混乱に陥っていくというクライムサスペンスだ。ドンウォンが演じるのは、チームリーダーのヨンイル。冷静沈着な佇まいに緊張感ある視線など、渋みの増した演技をもって、物語全体に張り詰めた空気をもたらしている。

さて、前談が長くなってしまったが、今年の『プロット 殺人設計者』公開や『北極星(原題)』配信によってドンウォンの虜になる方に向けて、おすすめ映画5作品を紹介したいと思う。彼の主演映画には実験的な作品も多く、正直イマイチな作品もあるのだが(※あくまで筆者のいち意見!)、これから紹介する作品はとても面白い上、それぞれドンウォンの異なるベクトルのカッコ良さを味わえる極上のセレクトだと思っている。ドンウォンファンからのプレゼンテーションだと思って、ぜひ視聴してみてほしい。

①彼女を信じないでください

彼女を信じないでください
©2005 CJ E

仮釈放された詐欺師チュ・ヨンジュは姉の結婚式へ向かう列車旅の道中、恋人にプロポーズする予定の薬剤師チェ・ヒチョルと相席。トラブルが生じたことで、ちょっとした会話を交わす。その後、ヨンジュはヒチョルがスリに遭う瞬間を目撃。犯人を追い、ヒチョルが母から受け継いだという婚約指輪を奪い返したヨンジュだが、列車が目の前で発ってしまう。列車に置き忘れた荷物をヒチョルが持っていてくれることに期待し、彼の実家を訪問したヨンジュ。しかし、誤解が膨らんでいき、“ヒチョルの恋人”のフリをする羽目に……。

反発していた2人が次第に惹かれあっていくという王道のストーリーだが、恋路を邪魔する人として極悪人が出てこないので、終始楽しい気持ちで観られるラブコメとなっている。ヨンジュの嘘によって最低男の烙印を押されたヒチョルが無実証明のために取る行動がすべて裏目に出てしまう、という展開には思わず吹き出してしまう。また、ヒチョルとの馴れ初めから現在の状況まですべて嘘で塗り固めてチェ家の懐に入り込んだはずのヨンジュが、一家への愛情だけは本物になっていく、という心境変化に何とも心温まる。

ヨンジュを演じたのはドラマ『18アゲイン』などのキム・ハヌル、ヒチョルを演じたのはドンウォン。ドンウォンは本作が映画デビューで、新人ならではの初々しさが漂う貴重な一作となっている。特に注目してほしいのが、ヒチョルが出場した町対抗「Mr.唐辛子コンテスト」のシーン。審査員へぎこちない笑顔を向け、不測の事態には目を白黒、最終的には顔をぐしゃぐしゃにしながら唐辛子を爆食いするなど、若きドンウォンのややオーバー気味&体当たりな演技が作風と見事にマッチしている。

②チョン・ウチ 時空道士

チョン・ウチ 時空道士
© 2009 CJ ENERTAINMENT, UNITED PICTURES & ZIP CINEMA. ALL RIGHTS RESERVED

時は1500年頃。道力高き表訓大徳仙人が神秘の笛を吹いて妖怪の魔力を封じていたが、門番仙人たちの手違いで妖怪の魔力が目覚め、表訓大徳と妖怪は地上へ落ちてしまう。それぞれ人間の体に隠れ、本来の自分の記憶も喪失。門番仙人たちは名高い道士ファダムに、妖怪を捕まえて笛も取り戻して欲しいとお願いする。

そんな中、ならず者の道士チョン・ウチが偶然1匹の妖怪を退治し、笛も入手。ファダムは笛を手に入れるべく、ウチの師匠を密殺する。ウチは罪を着させられるが、封印される瞬間に笛を奪ったのだった。時は流れ、2009年ソウル。再び妖怪が世を乱し、仙人たちはウチの封印を解いて力を借りることに。そんな中、ファダムも姿を現す。

記憶を失った高明な仙人、謎めいた笛……といった様々なキーワードが登場するが、要は、妖怪退治のファンタジーアクションである。前半が時代劇で、お調子者のウチと人間になりたい子分犬チョレンの活躍(?)を描いているところが『西遊記』を彷彿とさせる。ウチは自己陶酔が激しいが、護符なしだとポンコツ。ひょいひょい飛び回りながら武術や妖術を得意げに披露するが、師匠からは「お前は無心になれないから真の道士になれぬ!」とガミガミ怒られており、その小物感が笑いを誘う。舞台が現代に移り、時代の変化に戸惑うウチとチョレンの姿も滑稽だ。

ウチを演じたドンウォンのいたずらめいた表情がたまらない一作で、分身の術を使うシーンは至福のひと時。大人数となったウチの中に挙動不審な奴、笑い上戸な奴など、様々なタイプがおり、ドンウォンの全力コメディ演技をひとまとめで観ることができる。

チョレン役を演じたユ・ヘジンの犬っぽい仕草もお見事で、仙人トリオのドタバタ劇も楽しい。ファダム役は、映画『チェイサー』などのベテラン俳優キム・ユンソク。低い声で「ふっふっふ……」と笑う様が絵に描いたような悪役で、ノリノリで演じている様が滲み出ている。

③群盗

群盗
© 2014 SHOWBOX/MEDIAPLEX AND MOONLIGHT FILM ALL RIGHTS RESERVED

1862年、朝鮮の民は相次ぐ自然災害で飢餓と伝染病に苦しんでいた。凶作続きの上に悪徳官史や両班の搾取が重なり、至る所で一揆が勃発。鎮圧された民は打首となり、生き残った者たちは山賊になる道しかなかった。屠畜(とちく)人トルムチも生活苦に強いられており、ある日大金に目がくらみ、大富豪の子息チョ・ユンからの暗殺依頼を受ける。しかし、流石に人間は殺せないと失敗。その結果、ユンに家族を殺され、自身も打首になりかけたところで、盗賊団チュソルに救われる。

トルムチがチュソル団員になって2年。その間にユンは悪事の限りを尽くし、民たちを益々困窮させていた。チュソルはユンを成敗することに決め、トルムチも復讐心を胸に戦いに臨む。

土埃舞う荒野で馬を走らせる荒くれ者たちが主人公、哀愁漂う乾いたギターサウンドに華やかな金管楽器の音色のBGM、ここぞという時に登場人物にぐぐっと寄るカメラワークなど、西部劇の要素がふんだんに詰まった、東洋版ロビン・フッドのような作品である。民の無知につけ込んで親切心を装って土地を奪うなど、ユンが無慈悲な人物として描かれているので、チュソル団員たちの人情味がより目立ち、彼ら一人ひとりの生き様がひたすら格好良い。その想いが伝播し、民が立ち上がるという流れも胸熱だ。

そして本作は、ドンウォンのビジュアルが最高潮に仕上がっている眼福映画であることも忘れてはいけない。18の武芸の達人であるユンが、肉切り包丁で襲いかかってくるトルムチを扇子だけであしらう姿は、まるで舞を踊るような優雅さ。「投げた槍は飛ぶ蝶の羽を貫き振り、かざした剣の切先には剣光が尾を引き虹が現れたーー」というナレーションも腑に落ちる。

教養ある言葉遣いや仕草、無駄なくしなやかな動作、氷のように冷たい瞳もたまらない。パッと見ただけでも上質だと分かる韓服の数々は、パーソナルカラー診断で細かく色味を選んだのかと思うぐらい、彼の透き通るような白肌にマッチしている。場面によってはこの世の人とは思えないほどの妖艶さと凄みが共存しており、そこに庶子として幼少期に栄枯盛衰を実感させられたユンの哀しみや怒りが横たわっているように感じられる。散り際まで美しいとは、何たることだろうか。

④プリースト 悪魔を葬る者

プリースト 悪魔を葬る者
© 2015 ZIP CINEMA ALL RIGHTS RESERVED

キリスト教信者の高校生ヨンシンが交通事故後、この世に多くの災いをもたらすという「十二の悪魔」の一人に取り憑かれてしまう。もともと彼女の知人だったキム・ボムシン・ペトロ神父は、祓魔師であるチョン神父と共に悪魔祓いを決行するが、チョン神父が倒れてしまう。キム神父はソウル大司教会を通し、補助司祭を募集。そこで白羽の矢が立ったのが、カトリック大学7年生のチェ・ジュノ・アガトだった。合唱練習が免除されるからと引き受けたアガトだが、キム神父にとある疑念を抱くようになる。

悪魔祓いを軸に、キム神父の疑惑やアガトの過去などのサスペンス要素も盛り込んだホラー映画。他の神父から疎まれているはみだし者のキム神父と、“霊感が強い寅年生まれだから”という理由で選ばれただけの問題児アガトは、最初はあまり相性が良くない。荒っぽい神父と血気盛んな若造の間でぴりついた空気が漂うが、本物の悪魔との対峙を経て、信頼関係を高めていく……という師弟ドラマにもなっている。勿論、心をざわつかせる様々な描写や後半につれて増幅していく緊迫感など、ホラー映画としての醍醐味も凝縮(虫が嫌いな方はご注意を)。

キム神父役がキム・ユンソク、アガト役がドンウォンと、『チョン・ウチ 時空道士』で敵同士を演じた2人が再び共演。キャラクターたちは相性悪くも、彼ら2人の相性は抜群。エクソシズム前のコミカルなやり取りが作中の癒しになっている。ドンウォンが、シンプルだからこそスタイルの良さが際立つ司祭服を着て、子豚を連れ歩き、ラテン語や中国語を話す姿も魅力的。今年1月に本国で公開されたスピンオフ作品『黒い修女たち』にもアガト役で特別出演したようなので、早く日本でも観たいところである。

⑤華麗なるリベンジ

華麗なるリベンジ
©2016 SHOWBOX, MOONLIGHT FILM AND SANAI PICTURES CO., LTD ALL RIGHTS RESERVED.

ピョン・ジェウクは「11年も苦労して検事になったのはクズを合法的に懲らしめようという思いから」と公言する暴力検事だが、ある日そのことが裏目に。取り調べを行った被疑者が翌日変死し、濡れ衣を着させられてしまったのだ。ジェウクは真犯人である次長検事ウ・ジョンギルに嵌められ、懲役15年の刑を喰らう。

5年後、刑務官や受刑者の法律相談に乗る“先生”としての地位を確立したジェウクは、虎視眈々と復讐の機会を待っていた。そんな中、出会ったのが詐欺師チウォン。彼を釈放へと導き、作戦を実行に移すことに。

ことの発端は、環境保護団体によるリゾート建設反対運動。リゾート建設によって利権を得られる政治家たちが暴力団に指示し、反対派を装って暴動を起こし、世論を賛成派多数へと傾けたのだ。その暴動にまつわる調査の揉み消しで犠牲になったのがジェウクである。

そんな暴力団・政治家・検事が癒着する腐敗した世界に、ジェウクの知恵とチウォンの技術で挑むというリベンジムービーとなっている。ぶっきらぼうなジェウクと人懐っこいチウォンの凸凹コンビのケミストリーも良く、チウォンが兄貴分ジェウクに見せるストレートな愛情表現がチャーミングである。

ジェウクを演じたのはファン・ジョンミン、チウォンを演じたのはドンウォン。チウォンは、女性ばかり騙す前科9犯のモテモテ詐欺師という設定ゆえ、ドンウォンのナルシシズム全開の演技を観ることができる。恋愛作品にあまり出演しないドンウォンゆえ、シン・ヘソン(ドラマ『私のヘリへ』など)との熱いキスシーンはなかなかレアである。また、囚人服姿で腕の袖捲りをしている姿をはじめ、作戦のために選挙運動員、検察官、暴力団など様々な衣装を着る、ドンウォン七変化も堪能できる。

編集後記

実は筆者が韓国ドラマにハマったのは、ドンウォンがきっかけである。遡ること約20年前、実家のケーブルテレビで偶然『彼女を信じないでください』を観賞。その時のドンウォンのルックスがあまりにも好みどストライクで、一瞬で恋に落ちた。ただ、その頃は手段も経済力も限られていたゆえ、インターネット上で画像を漁る程度で留まっていた。時は流れ2021年、『新感染半島 ファイナル・ステージ』が劇場公開され、大スクリーンで久々にドンウォンを浴びたことで想いが再燃。コロナ禍で自宅時間も増えていたため、ドラマ含め全作品を制覇することに。これまで韓国映画を観ることはあっても、韓国ドラマにはイマイチ食指が動かなかったのだが、『威風堂々な彼女』で韓国ドラマ特有の要素にハマり、他の作品も観漁るようになったのである。それから多くの俳優のファンになったが、このような背景もあり、ドンウォンは私にとって不動の一位である。しかし、知人の韓国ドラマファンたちとの間でドンウォンの話題が上がることは殆どなく、正直寂しい。今年の展開を経て、ドンウォンファンがたくさん増えることを心から望んでいる。


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