「必ず高い目標を達成できる」スパーズの守護神・ヴィカーリオはフランク新体制に自信 GKになった理由も語る「あの感覚こそが楽しい」
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「必ず高い目標を達成できる」スパーズの守護神・ヴィカーリオはフランク新体制に自信 GKになった理由も語る「あの感覚こそが楽しい」

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昨シーズン、1972年以来となるヨーロッパリーグのタイトル獲得に大きく貢献した、トッテナム・ホットスパーの守護神グリエルモ・ヴィカーリオ。2023年の加入以来、スパースのゴールマウスを守り続ける同選手は、新監督を迎えたこの夏をどう過ごしているのか。新たなシーズンの幕開けが近づく2025年7月、カメラの前でリラックスした表情で、心境を語ってくれた。

「あの夜は最高の気分、最高の雰囲気だった」

──まずはじめに、夏休みはどのように過ごされましたか?あまり知られていないような、何か特別なことはしましたか?

ヴィカーリオ:いいえ、特別なことは何も。友人や家族と一緒に休暇を過ごしただけです。 愛する人たち、大切な人たちと楽しむための時間でしたね。 スペインとギリシャへ行って、ビーチや海辺で友人たちと過ごしました。 心と体をリフレッシュして、新シーズンに備えるための、本当にいい時間になりました。

──ギリシャは素敵な国ですよね。

ヴィカーリオ:ええ、大好きです。

──今シーズンからトーマス・フランク新監督が就任しましたが、ここまでの印象はいかがですか?

ヴィカーリオ:彼は素晴らしい人です。 とても実直で、チームに話すときは厳格さも持ち合わせています。 彼が実現したいサッカーを選手たちに的確に伝えることに、非常に熱心ですね。 シーズンを通して彼についていくことができれば、必ずいい結果にたどり着き、高い目標を達成できると確信しています。

──多くのファンが、今シーズンはマノル・ソロモンの活躍に期待しています。チームメイトとして、彼の様子を少し教えていただけますか?

ヴィカーリオ:彼は本当に“いいやつ”ですよ。とても仲がいいんです。 私たちは2シーズン前に知り合いました。彼にとって2年前のシーズンはタフなものになってしまいましたが、昨シーズン、リーズで彼が成し遂げたことについては、自分のことのように嬉しく思っています。 おそらく、チャンピオンシップ(イングランド2部リーグ)では最高の選手だったでしょうし、チームを昇格に導きましたからね。

彼は本当にそれに値する選手です。ハードワークを厭わないですし、ウィンガーや10番といったポジションでプレーする、才能あふれる選手です。今は軽い怪我で離脱していて回復に努めていますが、すぐにチームに戻ってくるはずです。 また彼と一緒に、サッカーのあらゆる側面を共に楽しむことができるでしょう。

──昨シーズン、リーズの試合はよく見ていましたか?

ヴィカーリオ:正直に言うと、それほど多くは見ていません。 ですが、もちろん彼とは連絡を取り合っていましたし、彼がSNSに投稿する動画はたくさん見ていたので、彼の活躍については知っていますよ。 彼はピッチ上で、信じられないようなことをやってのけていました。

──チャンピオンシップの昇格を決めた、あの重要なゴールは見ましたか?

ヴィカーリオ:ええ、見ましたよ。ワンツーから、土壇場でディフェンダーの股を抜くシュートでしたよね。 彼にとっても、クラブにとっても、信じられないような瞬間だったと思います。

──素晴らしいゴールでしたね。さて、トッテナム・ホットスパーの話に戻りましょう。昨季のプレーの中から、あるクリップをお見せしますので、それについてコメントをいただけますか?

ヴィカーリオ:ええ、わかりました。

(映像を見る)

ヴィカーリオ:ああ、これですね。

──このプレーを見て、どう思いますか?

ヴィカーリオ:象徴的で、素晴らしいプレーでした。 このプレーが、90分を過ぎて私たちが成し遂げたこと(UEFAヨーロッパリーグ優勝)につながったわけですから。 昨シーズン、私たちがどれだけハードワークしてきたかを考えると、このトロフィーの獲得は本当に大きな意味がありました。 そして、このクリアランスが試合の雰囲気を決定づけた、重要な瞬間だったのです。私と相手選手が競り合い、そのあとミッキー(・ファン・デ・フェン)がゴールを守ろうと、本能的に動いてくれました。 このプレーの後、ビルバオで起きたことのすべてが、歴史に刻まれたと感じていますよ。

──あの瞬間、頭の中では何を考えていましたか?

ヴィカーリオ:キーパーとしてボールを処理しにいったところ、相手選手と交錯してしまいました。 おそらく、私とドミニク(・ソランケ)の間に、少しミスコミュニケーションがあったのかもしれません。 もちろん、ミスを犯してしまったことには気づきます。 でも、試合の流れを読んでくれていた誰かに助けられることもあるのです。 ミッキーがしてくれたことには、常に感謝しています。

ただ、これもサッカーの一部です。ディフェンダーがミスをして私がそれをカバーすることもあれば、その逆もある。それがサッカーなんです。

ビカーリオ 1

──そしてヨーロッパリーグ優勝。キャリアで初めてのメジャータイトルを獲得したお気持ちはいかがですか?

ヴィカーリオ:もちろん、最高の気分です。最高の雰囲気でした。 ファンの皆さん、そして両親をはじめとする家族の前で、それを達成できたことが本当に嬉しいです。 忘れられない思い出になりました。 何と言えばいいでしょう…クラブにとって、そしてスパーズというフットボールクラブを心から愛するすべての人々にとって、本当に大きな夜となりました。 このクラブに関わる全員が、手にするに値する夜だったと思います。

「誰かの得点を阻止する、その感覚がすごく楽しい」

──ゴールキーパーというポジションは、少し怖くはありませんか?子どもの頃、ボールが体に当たると少し怖かった記憶があります。なぜGKになろうと思ったのですか?

ヴィカーリオ:ボールが当たっても、それで怪我をするわけではありませんからね。 2、3秒もすれば、痛みは消えてしまいますよ(笑)。 自分の体を投げ出してボールを奪いにいく、あるいはボールをセーブする。どちらの言い方でもいいですが、それこそがこのゲームの素晴らしい側面です。

惹かれたのは、ストライカーのセレブレーションを“阻止する”という、あの感覚でした。 いわば、サッカーにおける逆の側面ですね。おそらくファンは、ストライカーや他の選手ができるだけ多くのゴールを決めるのを見に、スタジアムへ足を運びます。 僕はその逆のサイドに立ちたかったんです。誰かが得点するのを阻止して、それがどんな感覚なのかを味わってみたかった。 正直に言って、その感覚をものすごく楽しんでいますよ。

──なるほど。では最後に、少しゲームをしましょう。「スタート、ベンチ、セーブ」です。マヌエル・ノイアー、ジャンルイジ・ブッフォン、イケル・カシージャスの3人のレジェンドGKがいます。誰をスタメンにし、誰をベンチに置き、誰を“セーブ”しますか?

ヴィカーリオ:スタメンはブッフォン、ベンチにノイアー、そしてカシージャスをセーブします。

──その理由を教えていただけますか?

ヴィカーリオ:もちろん、これは非常に難しい選択です。 3人ともこのポジション、そしてサッカーというゲームにおけるレジェンドですから。全員がワールドカップで優勝していますし、所属クラブでも多くのトロフィーを勝ち取っています。

ただ、私はイタリア人のゴールキーパーとして、ブッフォンをアイドルとして見て育ちました。彼が私の国と、キャリアを通じて所属したユヴェントスのために成し遂げたことは、本当に偉大です。

次にノイアーですが、彼はゴールキーパーの在り方そのものを変えました。 特に、後方から攻撃を組み立てる彼のプレースタイルや、チームにとって“11人目のフィールドプレーヤー”であろうとする姿勢は画期的です。

そしてカシージャス。もちろん、彼も驚異的な選手でした。これは、誰か一人を選ばなければいけない、苦渋の選択です。 彼もまた、母国とクラブのためにすべてを捧げ、すべてを勝ち取りました。 レアル・マドリードとスペイン代表のキャプテンとして、偉大なリーダーでもありました。 彼について、私が何を言えるというのでしょう?彼が人生で成し遂げたことの、ほんの10%でも再現してみたいものです(笑)。

──本日はお時間をいただき、本当にありがとうございました。

ヴィカーリオ:こちらこそ、ありがとうございました。

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