エヴァートンを率いる名将・モイーズ監督に独占インタビュー 12年ぶり復帰で得た手応えと“新スタジアム元年”への決意
2025年1月、12年ぶりに古巣エヴァートンへ帰還し、シーズン途中就任ながらチームを立て直したデイヴィッド・モイーズ監督。クラブにとっては新スタジアムで迎える歴史的な新シーズンを直前に控え、百戦錬磨の指揮官は何を思うのか。チーム再建への確かな手応えと未来への視線、日本との関わりや印象について訊いた。
昨季のレンタル移籍を経て、今夏バイエルンからトッテナム・ホットスパーへ完全移籍したマティス・テル。2022年に17歳でブンデスリーガ初先発&初ゴールを記録したU-21フランス代表は、この6月にスロバキアで開催された『UEFA U-21欧州選手権2025』でも印象に残る活躍を収めている。充実の夏を過ごす若きFWが、プレミアリーグでの飛躍に向けた意欲を語った。
──夏休みはいかがでしたか?U-21欧州選手権(EURO)での2ゴールという素晴らしい活躍もありましたが、ご自身のパフォーマンスを振り返っていかがでしょうか?
テル:とても充実した夏を過ごしています。2週間の休暇があり、家族との時間を満喫できました。
EUROでのプレーは自分の国を代表するもので、チームに良いエネルギーをもたらすことができて、本当に重要な時間になりました。ゴールやアシストを記録し、チームの勝利に貢献しようと努めました。良い大会でしたね。
──そしてこの夏、2031年までの長期契約でスパーズへの完全移籍が決まりました。この決断は簡単なものでしたか?
テル:ええ、ここにいられることをとても嬉しく思っています。ローン移籍で半年間プレーしましたが、ファン、クラブ、チームメイト、誰もが僕にとても親切にしてくれましたし、ここでの時間を心から楽しめました。クラブやチームメイトを成功に導きたい、その力になりたいと強く感じています。ここにいられて本当に幸せです。
──プレミアリーグのフットボールで最も気に入っている点は何ですか?
テル:インテンシティですね。僕にとってプレミアリーグは、世界最高のリーグだと思っています。ピッチ内外で、自分自身を成長させることができる。今シーズン、トッテナムはチャンピオンズリーグにも出場しますし、多くのものを勝ち取るチャンスがあります。
──ではプレミアリーグでプレーする上で最も難しい、挑戦だと感じることは何でしょう?
テル:今シーズンで言えば、多くの試合に勝ち、多くのトロフィーを手にすることです。個人としては、たくさんのゴールを決め、チームメイトにアシストを供給すること。フットボールをプレーすることを純粋に楽しみたいです。
──リーグに適応するという点ではいかがでしたか?最も難しかったことは?
テル:僕にとっては初めてのローン移籍であり、しかも海外だったので、すべてが新しかったです。ただ、僕は野心的な人間なので。簡単ではありませんでしたが、チームメイト、ファン、家族や友人が本当に助けてくれたおかげで、そこまで難しくは感じませんでした。彼らのおかげで、スムーズに適応できたと思っています。
──特に助けてくれたチームメイトはいますか?クラブでの親友は誰でしょう?
テル:ウィルソン(・オドベール)、ビスマ、マダーズ(マディソン)、そしてソニー(ソン・フンミン)も。ここにいる選手全員が、僕が楽しく過ごせるように助けてくれたと言えます。
──ロンドンでの生活はいかがですか?
テル:ロンドンはパリに似ていますね(笑)。とても良い雰囲気で、何でも揃っているので好きですよ。
──バイエルンから加入するにあたり、スパーズのレジェンドであるハリー・ケインと話す機会はありましたか?彼はロンドンやこのクラブについて何と?
テル:はい、正式に契約する前に彼と話をしました。「何か必要なことがあれば、いつでも電話やメールをしてくれ」と。そして、「トッテナムはビッグクラブだから、きっと楽しめるはずだ。ピッチも、監督も、すべてが良い。それにロンドンは素晴らしい街だから、ここでの時間を満喫できるよ」と言ってくれました。
──昨季リーグ戦では悔しい結果に終わりましたが、ヨーロッパリーグでは見事に優勝を果たしました。あのシーズンをトロフィーで締めくくれたのは、これ以上ない経験だったのではないでしょうか?
テル:ええ、信じられないような経験でした。あの夜のことは、一生忘れません。僕にとっても、スパーズのファンにとっても、クラブにとっても、すべての人にとって、本当に信じられないような出来事でした。本当にハードワークしてきたので、あの結果はそれに値するものだったと思います。
──プレミアリーグでプレーすることは、子どもの頃からの夢でしたか?
テル:はい、もちろんです。若い頃は、プロのサッカー選手になってトップリーグでプレーしたいと誰もが夢見ますから。そして今、僕はプレミアリーグのトッテナムでプレーすることができている。これは僕にとって、とてつもなく大きなことです。そのために努力してきましたし、 ここにいられることをとても嬉しく思います。
──子どもの頃、プレミアリーグに憧れの選手やヒーローはいましたか?
テル:正直に言うと、いませんでした。当時はただ友達とプレーするのを楽しんでいただけなので(笑)。
──プレミアリーグでの初ゴールを決めた時の気持ちを、どのように表現しますか?
テル:とても嬉しかったですし、多くのモチベーションが湧き上がってきました。あの初ゴールの後、チームを助けるためにもっとゴールを決めたい、アシストをしたいという意欲がさらに強くなりました。これを毎年、何度も何度も繰り返していく必要があります。
──シーズン開幕前のこの時期に、ご自身でゴール数などの具体的な目標を設定しますか?
テル:はい、します。シーズンが始まる前に、ゴール数、アシスト数、そして出場試合数といった数字を自分の中で設定します。それは自分自身のためです。集中力を維持するために必要なことなんです。
──もう設定済みですか?それは秘密でしょうか?
テル:はい、もう決めました。でも、それは秘密です(笑)。シーズンが終わった頃に、もしかしたら言うかもしれません。
──シーズン終了後に「目標達成できたよ!」と聞けるのを楽しみにしています。
テル:ええ、「やったよ!」と言えるように頑張ります(笑)。
──新監督であるトーマス・フランクの印象はいかがですか?
テル:彼はものすごいエネルギーの持ち主ですね。常に選手たちを鼓舞し、僕たちが最高の状態でいられるように後押ししてくれます。いつも僕たちの背中を押してくれる、本当にエネルギッシュな人です。
先日タフな練習があったのですが、彼は常に「行こう、みんな。カモン、カモン!絶対に諦めるな」と声をかけ続けてくれました。これはチームにとって、僕たち選手にとって非常に重要なことです。特に今シーズンは、チャンピオンズリーグ、プレミアリーグ、そしてカップ戦と、多くの大会を戦うことになりますから。監督を見ていると、彼がすっかり準備万端なのが伝わってくるんです。僕たちも同じように、準備を整えなければなりません。
──監督から今シーズンのあなたの役割や、期待することについて具体的な話はありましたか?
テル:いえ、まだです。今はまず、チーム全体としてどう戦っていくか、どうやって勝利をつかむかに集中しています。僕個人や特定の選手に対してというよりは、チームとしてどう機能するかが、今は最も重要です。
──プレシーズンには古巣バイエルンとの対戦も控えています。あなたにとって、どのような試合になるでしょうか?
テル:友人やファンのみんなに会うのが待ちきれません。この試合をプレーできることを嬉しく思います。
──もし古巣相手にゴールを決めたら、どうしますか?
テル:常にリスペクトを忘れません。もちろん、ゴールを決めたいとは思いますが、セレブレーションはしません。リスペクトが第一ですよ。
──そしてシーズン開幕前には、トロフィーを懸けたUEFAスーパーカップが待っています。
テル:僕たちには自信があります。昨シーズンから本当にハードワークを重ねてきましたからね。今もこの試合に向けて、全員で準備を進めています。準備万端で臨めることを願っています。
──プレミアリーグの開幕戦はバーンリーとのホームゲーム、そして第2節はマンチェスター・Cとのアウェイゲームです。シーズンを良い形でスタートさせることの重要性をどう考えますか?
テル:シーズン序盤にビッグクラブと対戦することは、その後のシーズンを戦い抜く準備ができているかどうかを確かめる上で、とても重要だと考えています。どうなるかは見てみないとわかりませんが、僕もチームも準備はできています。相手がどこであろうと関係ありません。
──長いシーズンになりますが、現時点でスパーズにとっての「成功」とは何だと考えますか?
テル:先ほども言ったように、僕たちはヨーロッパリーグを制して、今シーズンはチャンピオンズリーグ、プレミアリーグ、カップ戦を戦います。僕たちが勝てる可能性のあるものは、すべて勝ち取りたいです。
2025年1月、12年ぶりに古巣エヴァートンへ帰還し、シーズン途中就任ながらチームを立て直したデイヴィッド・モイーズ監督。クラブにとっては新スタジアムで迎える歴史的な新シーズンを直前に控え、百戦錬磨の指揮官は何を思うのか。チーム再建への確かな手応えと未来への視線、日本との関わりや印象について訊いた。
昨シーズン、70年ぶりに国内タイトルを獲得したニューカッスル。キャプテンとしてクラブの中心を担うブルーノ・ギマランイスは、「僕たちはもっとハングリーになっている」と、新シーズンのさらなる躍進を見据えている。 中盤で次々に相手のチャンスの芽を摘み、攻撃面でも常に闘う姿勢を崩さない、“マグパイズ”のダイナモ。ギマランイスの原動力とサッカーへの眼差し、そして新シーズンへの意気込みを、U-NEXTオリジナルインタビューで紐解いていく。
昨季はUEFAカンファレンスリーグとクラブワールドカップの二冠を達成した、チェルシーのエンツォ・マレスカ監督。「非常にポジティブなシーズン」と手応えを口にする昨季の成績を踏まえ、久々のプレミアリーグタイトルへ、ファンの期待も日に日に高まっているだろう。 つかの間のオフとプレシーズンを経て、どのような心境で開幕直前を迎えているのか。セリエA中継実況などでおなじみの北川義隆さんが、マレスカ監督にイタリア語でインタビュー。冷静な言葉の奥にある、指揮官の哲学と見据える先を紐解いていく。
昨季はプレミアリーグで勝ち点43の14位に終わったウェストハム。苦しむチームの中でも、リーグ戦34試合で13ゴール10アシストの活躍を見せたのが、イングランド代表ジャロッド・ボーウェンだ。キャプテンとしてチームを牽引する同選手は、“ハマーズ”の現状をどう見つめ、新シーズンへ向け何を思い描いているのか。プレシーズンの手応えと率直な想いを、U-NEXTのインタビューで語ってくれた。
昨季、圧倒的な堅守を武器にチャンピオンシップを2位で終え、プレミアリーグ昇格を決めたバーンリー。クラブを1年でのプレミア復帰へ導いたのが、昨季就任したスコット・パーカー監督だ。 監督として、自身3度目となるプレミア昇格を成し遂げた指揮官は、今のチームを「成功のために、たゆまぬ努力を惜しまない集団」と表現する。昨季の成功の礎となった「一体感」を武器に、台風の目となれるのか。開幕を間近に控えたその胸中を、U-NEXTのインタビューで訊いた。
5年契約の完全移籍、報道によれば移籍金3,750万ポンド(約74.6億円)でノッティンガム・フォレストの一員となったオマリ・ハッチンソン。イングランドの未来を担う逸材は多くのクラブが注目を集めたが、なぜ新天地をフォレストに決めたのか。移籍の決め手となったもの、そして彼が目指すプレースタイルについて、ファンへの誓いとともに言葉にした。
スコットランドの若き才能が、サウスコーストに新たな風を吹き込む。セルティック、リヴァプールを経て、この夏ボーンマスへの完全移籍を決断したベン・ドーク。移籍金は2,500万ポンド(約46億円)、5年契約での加入となる。 新天地にボーンマスを選んだ理由、そしてファンに約束する「最低限のこと」とは。移籍手続きを終えた直後、胸に秘めた熱い想いをストレートな言葉で語った。
この夏“赤い悪魔”の一員となったFWブライアン・エンべウモ。移籍金は約7000万ポンド(約139億円)ともいわれ、この夏を代表するビッグディールの一つになった。 在籍6年となったブレントフォードでは、公式戦242試合で70ゴール51アシストをマーク。プレミアリーグ4シーズンだけでも136試合に出場し、得点源としてだけでなく前線の複数ポジションをこなす柔軟性も示した。 再起を図るマンチェスター・Uの攻撃を牽引し、新天地でも欠かせないピースとなれるのか。インタビューを通じて、新たな挑戦への心境を言葉にした。
トーマス・フランク新監督のもと、新たなスタートを切ったトッテナム・ホットスパー。クラブとの契約を延長し、新たにキャプテンを任されたDFクリスティアン・ロメロはチーム状況を聞かれると、今まで以上の一体感への手応えを口にした。 UEFAスーパーカップではPK戦の末PSGに惜しくも敗れたが、リーグ開幕節となったバーンリー戦は盤石の試合運びで3-0の快勝。今週末の第2節では、リーグ戦で直近4戦3勝と好相性のマンチェスター・Cと、アウェイの地で激突する。
「最高に幸せです」。この夏、マンチェスター・Cからエヴァートンへと活躍の場を移したジャック・グリーリッシュは、笑みとともにそう語った。 「自分のリズムを取り戻したい」と本人が口にするように、ここ2シーズンは満足のいくパフォーマンスとはいかなかった。だからこそ、新天地での再起にかける想いはひとしおだ。 新スタジアムでの歴史的なシーズンを迎える“トフィーズ”の一員となり、どんな青写真を描いているのか。移籍を決めた背景と、直前に迫った開幕への意気込みを語った。