バイエルンからスパーズへ完全移籍 20歳のFWテルが新シーズンの飛躍を誓う「すべて勝ち取りたい」
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バイエルンからスパーズへ完全移籍 20歳のFWテルが新シーズンの飛躍を誓う「すべて勝ち取りたい」

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昨季のレンタル移籍を経て、今夏バイエルンからトッテナム・ホットスパーへ完全移籍したマティス・テル。2022年に17歳でブンデスリーガ初先発&初ゴールを記録したU-21フランス代表は、この6月にスロバキアで開催された『UEFA U-21欧州選手権2025』でも印象に残る活躍を収めている。充実の夏を過ごす若きFWが、プレミアリーグでの飛躍に向けた意欲を語った。

満を持してロンドンへ。バイエルンでの僚友ハリー・ケインからのアドバイスも

──夏休みはいかがでしたか?U-21欧州選手権(EURO)での2ゴールという素晴らしい活躍もありましたが、ご自身のパフォーマンスを振り返っていかがでしょうか?

テル:とても充実した夏を過ごしています。2週間の休暇があり、家族との時間を満喫できました。

EUROでのプレーは自分の国を代表するもので、チームに良いエネルギーをもたらすことができて、本当に重要な時間になりました。ゴールやアシストを記録し、チームの勝利に貢献しようと努めました。良い大会でしたね。

──そしてこの夏、2031年までの長期契約でスパーズへの完全移籍が決まりました。この決断は簡単なものでしたか?

テル:ええ、ここにいられることをとても嬉しく思っています。ローン移籍で半年間プレーしましたが、ファン、クラブ、チームメイト、誰もが僕にとても親切にしてくれましたし、ここでの時間を心から楽しめました。クラブやチームメイトを成功に導きたい、その力になりたいと強く感じています。ここにいられて本当に幸せです。

テル 1

──プレミアリーグのフットボールで最も気に入っている点は何ですか?

テル:インテンシティですね。僕にとってプレミアリーグは、世界最高のリーグだと思っています。ピッチ内外で、自分自身を成長させることができる。今シーズン、トッテナムはチャンピオンズリーグにも出場しますし、多くのものを勝ち取るチャンスがあります。

──ではプレミアリーグでプレーする上で最も難しい、挑戦だと感じることは何でしょう?

テル:今シーズンで言えば、多くの試合に勝ち、多くのトロフィーを手にすることです。個人としては、たくさんのゴールを決め、チームメイトにアシストを供給すること。フットボールをプレーすることを純粋に楽しみたいです。

──リーグに適応するという点ではいかがでしたか?最も難しかったことは?

テル:僕にとっては初めてのローン移籍であり、しかも海外だったので、すべてが新しかったです。ただ、僕は野心的な人間なので。簡単ではありませんでしたが、チームメイト、ファン、家族や友人が本当に助けてくれたおかげで、そこまで難しくは感じませんでした。彼らのおかげで、スムーズに適応できたと思っています。

──特に助けてくれたチームメイトはいますか?クラブでの親友は誰でしょう?

テル:ウィルソン(・オドベール)、ビスマ、マダーズ(マディソン)、そしてソニー(ソン・フンミン)も。ここにいる選手全員が、僕が楽しく過ごせるように助けてくれたと言えます。

ソン・フンミン

──ロンドンでの生活はいかがですか?

テル:ロンドンはパリに似ていますね(笑)。とても良い雰囲気で、何でも揃っているので好きですよ。

──バイエルンから加入するにあたり、スパーズのレジェンドであるハリー・ケインと話す機会はありましたか?彼はロンドンやこのクラブについて何と?

テル:はい、正式に契約する前に彼と話をしました。「何か必要なことがあれば、いつでも電話やメールをしてくれ」と。そして、「トッテナムはビッグクラブだから、きっと楽しめるはずだ。ピッチも、監督も、すべてが良い。それにロンドンは素晴らしい街だから、ここでの時間を満喫できるよ」と言ってくれました。

──昨季リーグ戦では悔しい結果に終わりましたが、ヨーロッパリーグでは見事に優勝を果たしました。あのシーズンをトロフィーで締めくくれたのは、これ以上ない経験だったのではないでしょうか?

テル:ええ、信じられないような経験でした。あの夜のことは、一生忘れません。僕にとっても、スパーズのファンにとっても、クラブにとっても、すべての人にとって、本当に信じられないような出来事でした。本当にハードワークしてきたので、あの結果はそれに値するものだったと思います。

新監督は「ものすごいエネルギーの持ち主」

──プレミアリーグでプレーすることは、子どもの頃からの夢でしたか?

テル:はい、もちろんです。若い頃は、プロのサッカー選手になってトップリーグでプレーしたいと誰もが夢見ますから。そして今、僕はプレミアリーグのトッテナムでプレーすることができている。これは僕にとって、とてつもなく大きなことです。そのために努力してきましたし、 ここにいられることをとても嬉しく思います。

──子どもの頃、プレミアリーグに憧れの選手やヒーローはいましたか?

テル:正直に言うと、いませんでした。当時はただ友達とプレーするのを楽しんでいただけなので(笑)。

──プレミアリーグでの初ゴールを決めた時の気持ちを、どのように表現しますか?

テル:とても嬉しかったですし、多くのモチベーションが湧き上がってきました。あの初ゴールの後、チームを助けるためにもっとゴールを決めたい、アシストをしたいという意欲がさらに強くなりました。これを毎年、何度も何度も繰り返していく必要があります。

──シーズン開幕前のこの時期に、ご自身でゴール数などの具体的な目標を設定しますか?

テル:はい、します。シーズンが始まる前に、ゴール数、アシスト数、そして出場試合数といった数字を自分の中で設定します。それは自分自身のためです。集中力を維持するために必要なことなんです。

──もう設定済みですか?それは秘密でしょうか?

テル:はい、もう決めました。でも、それは秘密です(笑)。シーズンが終わった頃に、もしかしたら言うかもしれません。

──シーズン終了後に「目標達成できたよ!」と聞けるのを楽しみにしています。

テル:ええ、「やったよ!」と言えるように頑張ります(笑)。

──新監督であるトーマス・フランクの印象はいかがですか?

テル:彼はものすごいエネルギーの持ち主ですね。常に選手たちを鼓舞し、僕たちが最高の状態でいられるように後押ししてくれます。いつも僕たちの背中を押してくれる、本当にエネルギッシュな人です。

先日タフな練習があったのですが、彼は常に「行こう、みんな。カモン、カモン!絶対に諦めるな」と声をかけ続けてくれました。これはチームにとって、僕たち選手にとって非常に重要なことです。特に今シーズンは、チャンピオンズリーグ、プレミアリーグ、そしてカップ戦と、多くの大会を戦うことになりますから。監督を見ていると、彼がすっかり準備万端なのが伝わってくるんです。僕たちも同じように、準備を整えなければなりません。

クドゥス 1

──監督から今シーズンのあなたの役割や、期待することについて具体的な話はありましたか?

テル:いえ、まだです。今はまず、チーム全体としてどう戦っていくか、どうやって勝利をつかむかに集中しています。僕個人や特定の選手に対してというよりは、チームとしてどう機能するかが、今は最も重要です。

──プレシーズンには古巣バイエルンとの対戦も控えています。あなたにとって、どのような試合になるでしょうか?

テル:友人やファンのみんなに会うのが待ちきれません。この試合をプレーできることを嬉しく思います。

──もし古巣相手にゴールを決めたら、どうしますか?

テル:常にリスペクトを忘れません。もちろん、ゴールを決めたいとは思いますが、セレブレーションはしません。リスペクトが第一ですよ。

──そしてシーズン開幕前には、トロフィーを懸けたUEFAスーパーカップが待っています。

テル:僕たちには自信があります。昨シーズンから本当にハードワークを重ねてきましたからね。今もこの試合に向けて、全員で準備を進めています。準備万端で臨めることを願っています。

──プレミアリーグの開幕戦はバーンリーとのホームゲーム、そして第2節はマンチェスター・Cとのアウェイゲームです。シーズンを良い形でスタートさせることの重要性をどう考えますか?

テル:シーズン序盤にビッグクラブと対戦することは、その後のシーズンを戦い抜く準備ができているかどうかを確かめる上で、とても重要だと考えています。どうなるかは見てみないとわかりませんが、僕もチームも準備はできています。相手がどこであろうと関係ありません。

──長いシーズンになりますが、現時点でスパーズにとっての「成功」とは何だと考えますか?

テル:先ほども言ったように、僕たちはヨーロッパリーグを制して、今シーズンはチャンピオンズリーグ、プレミアリーグ、カップ戦を戦います。僕たちが勝てる可能性のあるものは、すべて勝ち取りたいです。

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