公式YouTubeチャンネル「仲里依紗です。」の登録者数が200万人を超えている異色の俳優・仲里依紗さん。日常の出来事やファッションコーデやおちゃめな企画動画まで、彼女らしいセンスとノリで日々ファンを楽しませています。明るく飾らないキャラクターで女性からの共感を集めるほか、ファッションアイコンとしても抜群の存在感を放ち、近年はCMでの夫婦共演でも話題を集めています。
4月13日(日)の「情熱大陸」で特集される仲里依紗さんのキャッチコピーは「自分自身でありたい、ただそれだけ」。
生き方にも注目が集まっている仲里依紗さんは、俳優としてどんな足跡を残してきたのか。多面的な魅力を持つ仲里依紗さんの出演作の中から、必見の10作品をピックアップ!俳優・仲里依紗の魅力を紐解きます。
2006年公開のアニメ映画『時をかける少女』は、細田守監督による青春SFアニメの傑作である。仲里依紗が主人公・紺野真琴の声を演じており、夏のある日、時間を飛び越える力を得た少女の瑞々しい成長物語が描かれる。仲の声はティーンエイジャーの微妙な心情を生き生きと表現し、等身大のヒロイン像に命を吹き込んでいる。物語終盤、真琴が校舎の屋上からダイブして時間跳躍するシーンの爽快さも格別だ。初恋のときめきや切ない別れ、タイムリープのワクワク感がぎゅっと詰まった本作は、青春アニメの金字塔として国内外で多くの賞を受賞しており、今なお多くの人に愛されている。観終えれば青春の甘酸っぱさに胸がキュンと熱くなることだろう。
2010年公開の映画『ゼブラーマン -ゼブラシティの逆襲-』は、奇才・三池崇史監督が手がけた異色のヒーローエンタメ作品である。本作で仲里依紗が演じるのは、黒白レザーのド派手な衣装に身を包んだ悪役ヒロイン「ゼブラクイーン」だ。圧倒的な悪のカリスマ性を放つキャラクターで、仲は歌って踊って戦う過激な怪演を披露している。強烈なビジュアルと中毒性のある劇中歌で観る者を圧倒し、ダークでスタイリッシュな世界観の中に鮮烈な印象を残す一本だ。近未来都市ゼブラシティを舞台に繰り広げられる奇想天外なストーリーと、三池作品ならではの過激な演出も相まって、最後までインパクト抜群の痛快作に仕上がっている。なお、本作での怪演が高く評価され、仲里依紗は日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。
2010年公開の実写映画『時をかける少女』は、あの名作青春SFを新たな切り口で描いた作品である。仲里依紗は主人公・芳山あかり役として、1970年代の世界へタイムリープする女子高生を演じた。明るくお茶目な現代っ子が昭和の時代に飛び込むギャップから笑いと感動が生まれ、仲のチャーミングな演技が物語を爽やかに牽引する。1974年当時の東京の街並みを再現したノスタルジックな映像も魅力的で、昭和と現代のギャップにワクワクさせられる。なお仲は2006年のアニメ版で主人公の声優も務めており、本作で実写版の主演を担ったことでも話題になった。母の初恋の秘密を探るという優しいストーリー展開も相まって、懐かしさと温かさに満ちたタイムトラベル映画に仕上がっている。
漫画原作の『モテキ』は、恋愛経験ゼロの草食系男子に人生最大のモテ期が訪れる様子を描き、2010年にドラマ化、翌2011年に映画化もされた人気ラブコメだ。仲里依紗は映画版で主人公のモテ期に現れる女性・愛役を熱演している。恋愛下手な冴えない男子(森山未來)を振り回す小悪魔キャラをキュートかつコミカルに表現し、強烈な存在感を放つ。長澤まさみ、麻生久美子、真木よう子ら豪華女優陣との共演も見どころで、それぞれ個性豊かなヒロイン像の競演が痛快だ。音楽やサブカルネタ満載のポップな演出も相まって、笑って共感できる青春ラブコメに仕上がっている。冴えない男子にエールを送りつつ、誰にでも“モテ期”が訪れるかもしれない、と観る者に希望を抱かせてくれる爽快なストーリーである。
2011年公開の映画『ハラがコレなんで』は、妊娠9ヶ月の女性が主人公という異色の人情コメディである。仲里依紗演じる原光子は、お腹が大きい身でありながら下町で人助けに奔走する破天荒ヒロインだ。妊婦とは思えないパワフルな行動で周囲の悩みを次々と解決していく様子は痛快で、仲のエネルギッシュな演技が光る。昭和レトロな香り漂う下町の人々との触れ合いもほっこりとさせ、石井裕也監督の巧みな演出も相まって温かみのある物語に仕上がっている。破天荒キャラでコメディエンヌとしての新境地を開拓した仲の姿にも注目だ。クスッと笑えてホロリと泣けるハートフルなストーリーであり、観終わった後は元気をもらえること間違いなしの作品である。
2018年放送のドラマ『ホリデイラブ』は、平凡だった主婦の生活が夫の不倫発覚を機に一変する大人のラブストーリーだ。原作はこやまゆかり・草壁エリザによる漫画で、リアルな夫婦の危機を赤裸々に描いたことで当時話題となった。仲里依紗は主人公・高森杏寿役として、裏切られ傷つきながらも家族を守ろうともがく妻を熱演。涙をこらえる切ない表情から怒りを爆発させる迫真の演技まで、繊細さと力強さを併せ持った芝居で視聴者の心を揺さぶる。塚本高史や松本まりから共演陣の熱演も相まって、物語の緊張感が一層高まる。夫婦二組、計四人の愛憎が錯綜するスリリングな展開に最後まで釘付けにされること必至だ。痛みを乗り越えて絆を取り戻せるのか、ハラハラドキドキしながら見守りたくなるドラマである。
2021年に放送されたドラマ『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』と、その続編となる劇場版(2023年公開)は、最先端の救命チームが活躍する医療アクション大作である。仲里依紗は世界的な心臓外科医・高輪千晶役を好演し、現場主義の主人公(鈴木亮平)と対立しつつチームを支えるクールな存在感を発揮している。救命の最前線で奮闘する姿には張り詰めた緊張感が漲り、鬼気迫る手術シーンで見せる凛とした表情や、かつての恋人である主人公への複雑な感情を秘めた演技が作品に深みを与える。さらに、巨大な車両型手術室「ERカー」で事故現場に駆けつけるという斬新な設定も見逃せない。スピード感溢れる救命シーンと人間ドラマが融合した本作は、最後まで手に汗握る熱いストーリーである。
2023年放送のドラマ『大奥』は、男女の立場が逆転した江戸時代を描く異色の歴史ドラマだ。原作はよしながふみの人気漫画で、斬新な設定と重厚な人間ドラマが話題を呼んだ。仲里依紗は五代将軍・徳川綱吉を演じ、豪華絢爛な着物姿で女将軍の威厳と華やかさを体現している。権力に翻弄される孤独や葛藤を内に秘めつつ、時に見せる人間味が深く印象に残る。伝統的な歴史人物を大胆にアレンジした世界観の中で、仲の凛とした存在感が際立ち、物語に重厚さと新鮮さをもたらしている。男女逆転の世界で問い直される権力と愛の在り方について考えさせられる部分もあり、見応え十分だ。豪奢な大奥セットや美術にも目を見張るものがあり、歴史ファンもドラマファンも引き込まれること必至の作品である。
2023年配信のNetflixオリジナルドラマ『離婚しようよ』は、政治家の夫と女優の妻がお互いに離婚を画策するドタバタコメディだ。宮藤官九郎らが脚本を手がけただけあって、笑いのキレ味は抜群。仲里依紗は自由奔放な人気女優・黒澤ゆい役で出演し、破天荒だけれど憎めないヒロイン像をコミカルに演じている。夫役の松坂桃李との掛け合いはテンポ抜群で、意地の張り合いやボケとツッコミの応酬が痛快だ。芸能スキャンダルや政治的思惑が絡み合うユニークな設定を、テンポの良い展開と笑いに昇華した演出で見せる本作は、離婚をテーマにしながらもハートフルに笑える新感覚のラブコメで、仲の弾けるようなコメディエンヌぶりが存分に楽しめる作品である。
2024年放送のドラマ『不適切にもほどがある!』は、昭和から令和にタイムスリップしてきた中年男性が巻き起こす騒動を描くコメディである。仲里依紗はヒロインの犬島渚役として出演し、テレビ局で働くシングルマザーの現代女性をユーモラスに演じている。昭和男(阿部サダヲ)との掛け合いに戸惑いつつ翻弄されるリアクションの数々で、思わずクスリとさせる巧みな演技が光る。昭和と令和のギャップから生まれるカルチャーショックを笑いに変えつつ、家族の絆を見つめ直すハートフルな要素も盛り込まれた本作。本作は仲の確かなコメディセンスが存分に発揮された、意識低い系タイムスリップ劇として唯一無二の存在感を放つ痛快エンタメ作品である。
映画ファン必見『ペパーミント・キャンディー』『オアシス』『シークレット・サンシャイン』を贈り出す監督イ・チャンドンとは
三谷幸喜監督『スオミの話をしよう』のほか、人気シリーズ最新作『日本統一65』がTOP3