世界ランク1位のネリー・コルダ、“いつも通りの姿勢”で初優勝を目指す「ベストな準備をして、道のりを楽しみたい」|AIG女子オープン(全英女子)
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世界ランク1位のネリー・コルダ、“いつも通りの姿勢”で初優勝を目指す「ベストな準備をして、道のりを楽しみたい」|AIG女子オープン(全英女子)

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今季メジャー最終戦となる『2025 AIG女子オープン(全英女子)』が、2025年7月31日(木)にウェールズのロイヤル・ポースコールGCで開幕を迎える。日本勢が17人出場することでも注目を集める同大会。初日が迫るなか、直前練習を終えたネリー・コルダが記者会見で、大会初優勝を目指す心境を言葉にした。

「世界のベストプレーヤーたちと戦うことが大好き。ベストな準備をして、道のりを楽しむ」

──まずは、お誕生日(7月28日)おめでとうございます。どのように過ごされましたか?

ネリー・コルダ: ありがとうございます。最高の一日でした。キャディのジェイソン、コーチのブレット、それにロンドンから駆けつけてくれた親友のチャーリーと一緒にお祝いしたんです。もちろん、家族と過ごせなかったのは少し寂しいですが、全英女子オープンの場で誕生日を迎えられたのは素晴らしいことですね。

──昨年は優勝まであと一歩でした。今年は一つ上の順位を目指したいところですね。

ネリー・コルダ: ええ、常にそれが目標です。でも、全く新しい一週間ですし、ゴルフコースもコンディションも昨年とは違いますからね。今日は9ホールをプレーして、残りのバックナインはアプローチとパットの練習をしました。最初の4ホールは本当に美しいです。コースからの眺めは、まさに息をのむほど。ただ、少しでも風が吹けば、とてつもなくタフな試練になることは間違いありません。

──これまでのリンクスコースでの経験と比べて、このコースならではの違いや挑戦的な部分は感じますか?

ネリー・コルダ: そうですね、他のリンクスコースよりもティーショットの要求が少し厳しいかもしれません。他のコースならドライバーで打てるところでも、ここにはバンカーが巧みに配置されています。間違いなくドライバーを握れないホールがあり、風向きや強さによってはアイアンでティーショットを打つことになるでしょう。フェアウェイには多くの罠が潜んでいますから。

一度バンカーに入れてしまうと、どのリンクスコースでもそうですが、出すだけになってしまいます。ですから、大きなトラブルを避けて安全にティーショットを置けるかが、非常に重要になります。

とはいえ、ティーショットでアイアンを使えば、当然グリーンを狙うセカンドショットの距離は長くなる。ティーショットからグリーンに乗せるまで、すべてにおいて非常に高いレベルが求められるコースだと感じています。

──1番ホールは18番グリーンの角を越えていく、非常にユニークな設定です。ティーイングエリアからの景観や、プレーする際の印象について聞かせてください。

ネリー・コルダ: ええ、あのホールは本来、このコースの18番ホールだと聞きました。トーナメントでは私たちの1番ホールになりますね。背景に広がる海を含め、あの景色は素晴らしいです。同時に、どこにグリーンがあるのかわからない、ある意味ブラインドショットのようにも感じます。まるで、この世の果てに向かって打っていくような感覚ですね。本当に美しいホールです。ただ、どんな全英オープンでも同じですが、すべては風と天候次第。タフな戦いになると思います。

ネリー・コルダ 1

──LPGAのスケジュールには、国を代表して戦うフォーマットの大会(インターナショナル・クラウン)も組み込まれています。あなたにとって、国を背負って戦うことにはどのような意味がありますか?

ネリー・コルダ: 国を代表してプレーできるのは、とても楽しい経験です。私が経験してきたソルハイムカップとはまた違ったフォーマットですね。2年前にインターナショナル・クラウンに出場しましたが、ユニークで面白い形式だと感じました。特に韓国で開催されるとなれば、ファンの方々の熱気は素晴らしいものになるでしょう。彼らはゴルフに対して本当に情熱的ですから。これはゴルフというスポーツを広める、またとない機会です。

毎年経験できることではありませんし、普段はヨーロッパの選手と戦うことが多いですが、世界中の様々な国の選手と対戦できるのは、彼女たちにとっても刺激的で楽しいことだと思います。

──あなたはすでに世界中で勝利を収めていますが、キャリアを終えた時に「グローバルなゴルファー」として成功していることは、どれほど重要だと考えていますか?

ネリー・コルダ: 他の誰かに対して、これ以上何かを証明しなければならない、と感じることはありません。私にとっては、ただこのゲームに情熱を注ぎ、ゴルフを愛しているという事実がすべてです。こういった厳しいコンディションで自分のゴルフを試し、世界のベストプレーヤーたちと戦うことが大好きなんです。

自分自身に何かを証明する必要も、特に感じていません。私にとって大切なのは、その瞬間を楽しみ、勝負の熱気の中に身を置くこと。もちろん、もっと多くのことを成し遂げたいですし、自分自身で設定した目標もあります。でも、プレーするすべての国で勝つことで自分を満たそう、という考えは全くありません。

私の目標は、できる限りのベストな準備をして、自分自身を楽しみ、そして願わくば優勝争いに加わって、その道のりを楽しむことです。このスポーツでは、最高の瞬間と同じくらい、多くのどん底も味わってきました。それでも私はここに戻ってきて、またあの最高の瞬間を味わいたいと願っています。様々な環境、コース、コンディション、そのすべてが、私のゴルフへの愛情をさらに大きくしてくれるのです。

──今週のような厳しいコンディションや難しいコースは、実力のある選手や好調な選手を、他の選手から引き離す助けになると思いますか?運の要素も大きいと言われますが、トッププレーヤーであることや好調であることがアドバンテージになると感じますか?

ネリー・コルダ: ゴルフは自信がすべてのゲームだと思います。世界ランキングがどこであろうと、あまり関係ありません。たとえ世界トップ5の選手でも、数試合結果が出なければ、自分のプレーを信じられなくなってしまいます。ランキングは関係ないのです。

良い流れに乗っていれば、天候やコースがどんな試練を与えてきても関係ありません。スタート時間の有利不利も関係ない。ただ自分を信じて、打つべきショットを打つだけです。

ロイヤル・ポースコールは「よりディフェンシブなプレーが求められる」

──先週のスコットランドで一緒にプレーされた、ロティ・ウォード選手についてお聞きします。彼女がキャリアのこの段階で成し遂げていることについて、どのように評価していますか?

ネリー・コルダ: 本当に素晴らしいと思います。彼女の落ち着きと、自分のプロセスを貫く姿勢には非常に感銘を受けました。特にプレッシャーのかかる勝負どころでは、誰もが少しナーバスになったり、自分を疑ったりしがちです。でも彼女は、どんな時も自分のプリショットルーティンを忠実に守り抜いていました。それが、私が最も印象に残った点の一つです。年齢にそぐわない成熟度と、勝負の真っ只中でのあの落ち着き。本当に見事でした。

──技術的な面ではいかがでしょう?

ネリー・コルダ: ええ、もちろん、とてつもない時間を練習に費やしてきたことがわかります。それはここにいる誰もが同じですが。彼女のパッティングは非常に堅実ですし、ゲーム全体が安定しています。ティーショットもかなり飛ばしますしね。

それに、彼女はこういう天候の中で育ってきたので、快適に感じている部分もあるのでしょう。今年の彼女の優勝は、アイルランドとスコットランド。明らかに、厳しい天候でのプレーを得意としています。全体的に見て、非常に完成度の高い選手だと感じます。

──では、今週のメジャー大会でも、彼女は真の優勝候補の一人だとお考えですか?

ネリー・コルダ: ええ、もちろんです。先ほども言ったように、ゴルフは「自信のゲーム」です。彼女は今、自信に満ちあふれています。自分のすべてを信じてプレーしてくるでしょう。ここ3試合でのワーストフィニッシュが3位というのですから、彼女もまた、自信という大きな波に乗っているはずです。

──R&Aは近年、ロイヤル・ポースコールのような場所を全英女子オープンの開催地に選ぶようになりました。これまでプレーしたことのないコースでのメジャーに向けて、準備はどのように変わりますか?

ネリー・コルダ: 驚かれるかもしれませんが、アメリカで初めてプレーするコースの大会に臨む時と、準備は全く同じです。毎週の準備を一定に保ち、常に快適な状態でいられるように心がけています。そうすることで、自分がこれまでプレーしてきたすべての状況、そこから得たすべての知識に自信が持てるのです。ですから、基本的には何も変わりません。

もちろん、メジャー大会ではグリーン周りでの練習に少し多くの時間を割くことはあります。バンプアンドランのようなショットを多めに練習したり。ここの芝は少し違いますし、グリーン周りからの傾斜もきついですから。でも、それ以外は、私のプロセスは毎週ほとんど同じです。

ネリー・コルダ 3

──R&Aがこの大会のために選んでいる開催地について、どのように感じていますか?

ネリー・コルダ: プレーするのが本当に楽しいコースばかりです。素晴らしいゴルフコースでプレーできるだけでなく、大会での待遇も本当に素晴らしい。たとえば、プレーヤー用のジムやダイニングなど、細やかな配慮が行き届いています。

私たち選手が得る経験値をできる限り高めようと、まるでレッドカーペットを敷いて歓迎してくれているようです。この大会がどれほど進化してきたかを見るのは、本当に素晴らしいことですね。

今回で8回目か9回目の出場になりますが、私が最初に出場した頃から現在まで、女子ゴルフに対するR&Aのコミットメント、そして私たちがプレーできるようになった素晴らしいコースの数々。その進化には目を見張るものがあります。

──今週の大会に向けて、先週のスコティッシュ女子オープン出場はどれほど重要でしたか?これまでよりも落ち着いて今週を迎えられている感覚はありますか?

ネリー・コルダ: どうでしょう。スコティッシュに出場したのは今回が初めてでしたから。正直に言うと、私の体格では、強風の中で2週連続プレーするのはあまり好きではないんです。体がぶれやすくなってしまうので(笑)。

でも今回は、自分のスケジュールに完璧にフィットしたんです。すべてはスケジュールの流れなので。それで初めて出場する機会を得て、そこからの良い流れを今週に持ち込めればと願っています。

ただ、2つは全く異なるゴルフコースです。今年のスコティッシュはコースがかなりソフトだったので、アグレッシブに攻められました。普段私がプレーするリンクスコースのイメージとは少し違いましたね。

一方で、今週のコースは間違いなく、もっとディフェンシブなプレーが求められます。グリーンの10ヤード、15ヤード手前に着弾させて、そこから転がしていくような攻め方が必要になるでしょう。

──ところで、輝かしい経歴に映画出演も加わりましたね。『Happy Gilmore 2』が公開されましたが、ご覧になりましたか?作品が完成し、その一部にご自身が出演しているのを見て、いかがでしたか?

ネリー・コルダ: 実はまだ観ていないんです(笑)。今日か明日にでも、みんなで一緒に家で初めて観ようと話しています。アダム・サンドラーに会えたこと、そしてあの制作過程の一部になれたことは、本当にクールな経験でした。そして、俳優という仕事がいかに大変かを、あの場で目の当たりにしました。

特に、シューター(・マクギャビン)とのあのシーンは圧巻でした。彼の演技、そしてそれに込められたエネルギー。あのシーンは、撮影に丸一日かかったんですよ。わずか20秒ほどのシーンなのに(笑)。彼らのライフスタイルと仕事に対するリスペクトが、私の中で間違いなく大きくなりました。私にとっては、その一員になれたことが、ただただ最高でしたね。ナンシー(・ロペス)と一緒にできたのも、とても楽しかったです。

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