間宮祥太朗が体現する“宇崎”の本気が刺さった…父への想いを語った証言台の涙『イグナイト』最終話
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宇崎凌(間宮祥太朗)と伊野尾麻里(上白石萌歌)が中心となって活躍した金曜ドラマ『イグナイト –法の無法者–』第3話。ピース法律事務所の代表・轟謙二郎(仲村トオル)らが不在のあいだ、留守を任された宇崎が、高山恭子(アン ミカ)の依頼を受けたところから物語は始まる。今回は、事務所のムードメーカーとなっている伊野尾と、彼女を演じている上白石にもスポットを当てていく。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
帆刈町で大衆食堂を営む恭子の依頼は、ひょんなことから知り合った外国人技能実習生クオン(パース・ナクン)が、夜に海岸沿いのテトラポットに転落して大けがをした、という一件だった。労災が申請できる労働中の事故ではないかと疑うが、彼は「僕がドジしただけです」と笑顔を見せるのみだった。
轟からこの依頼を受けることに反対された宇崎。単独行動で調査をしようとしたところ、伊野尾がついてきた。彼女は移動車のなかで、PUFFYの「渚にまつわるエトセトラ」を熱唱。宇崎は「うるせえな」としかめっ面で運転した。
クオンが働いている二見水産加工の社長・二見壮一(ドロンズ石本)は、ふたりに協力的で、社内案内もしてくれた。宇崎と伊野尾は、工場見学や、実習生の監理団体の代表・関口(ひょうろく)と挨拶をかわしたものの、特に収穫はなかった。
その後、二見らが実習生に違法で産業廃棄物処理をやらせていたことを突き止める。裁判でそのことが明らかとなると、当初は穏やかだった二見が激高。傍聴席にいた関口は天を仰いだ。
この物語で印象的だったのは、宇崎と伊野尾のやりとりだ。特にこれまでの回で、伊野尾の人となりを深く知る機会はなかった。しかし「うちの事務所のやり方納得してんの?」と問われた際には「原告焚きつけてガッポリってこと?私たちがどうかじゃなくて、依頼人が納得していればいいんじゃない?誰かの声を代弁するのが弁護士だから」と回答。
同じく「歩く判例集かなにか?」と驚かれたときも「変なあだ名はハラスメントだよ。法を知ることは、声を出せるってことだから。『これはおかしい』とか『あれは私のもの』とか、そういう声を出せるってこと。でも、法を知らないと何もしゃべれないのと同じ」と返した。すべてを知ることはできなかったが、彼女の過去に何か隠されているのではないか、と感じるやりとりだった。
ここでは「俺が弁護士を目指した理由と少し似てんなあと思って……」と語りだした宇崎を制止し「その話長くなる?」、「宇崎のそういういい話とか大丈夫でーす」、「時間の無駄なんで」と切り捨てるオチがついていた。宇崎と伊野尾のかけあいは、初対面のときから変わらずテンポがよく、クスっと笑えるワードも盛り込まれている。改めて「このふたりを推したい!」と思えるコンビだと感じた。
そんな伊野尾は鋭い観察眼を持っており、現場や人物にまとわりつく“違和感”を見逃さない。第3話でも、クオンの友人に接触。彼がベトナム語で連絡を取り合っていた言葉から推察し、処理場までたどり着いた。そうした優秀な面がありながらも、太陽のように明るく、物語を彩る……。難事件や考えさせられる事件が多いドラマのなかで、重要な役割を担っているのだ。
そんな伊野尾を演じている俳優が上白石萌歌である。上白石は、これまでにもドラマ『義母と娘のブルース』シリーズ(TBS系)、『警視庁アウトサイダー』(テレビ朝日系)、『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』(TBS系)など数多くの作品に出演。このほかにも、映画、舞台はもちろん、シンガーとしても活躍している。
主役でも、ヒロインでも、学生のなかのひとりでも、どんな立ち位置でも、役を輝かせる演技で視聴者を魅了する上白石。上白石が作品に出ていると「面白いに違いない」という安心感が得られるのは、“役を輝かせる”彼女を何度も見てきたからだろう。
次回は、開発権利関係で何度も揉めているという大手ハウスメーカーへ向かう一同。新たな犠牲となった材木店をターゲットにするが……。
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