『雨上がりの僕らについて』第1話 かつての「恋」との再会がうつむいていた心を動かす
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『雨上がりの僕らについて』第1話 かつての「恋」との再会がうつむいていた心を動かす

2025.06.26 12:20

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池田匡志&堀夏喜がW主演を務めるドラマNEXT『雨上がりのぼくらについて』が7月2日からスタートする。U-NEXTでは各話1週間独占先行配信されている。

学生時代の苦い思い出から同性愛者であることを隠し、「もう恋はしない」と決めている奏振一郎(池田匡志)。そんなとき、高校時代の親友で、当時想いを寄せていた相手・真城洸輔(堀夏喜)と再会する。半ば強引に、連絡先を交換させられた奏。積極的に連絡してくる真城を無視する奏だったが……。

※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。

物語は、奏が同僚の藍沢すみれ(渡邉美穂)から告白されたところから始まる。もちろん、奏はその想いを受けられるはずもなく、「彼女がいる」と断る。恋はしない、と決めていても、誰かから好意を伝えられるとやはり考えるところがあるようで……雨の中、「ひとりなのだ」ということをかみしめていたところに現れた猫。「おまえもひとりなのか」と語りかけるが、猫はある喫茶店の飼い猫だった。店から抜け出してしまっていただけだったのだ。猫に傘をさしかけてあげていた奏に、飼い主であるマスターは店に寄っていくように促す。そこで再会したのが真城……というわけだ。

どちらかというと控えめで、自分の気持ちを伝えるのがうまくなさそうな奏。それに対して、元気いっぱいで真っすぐな真城。再会するなり、奏は真城に押されっぱなしだ。高校時代に親友だったという話だが、一体何がきっかけで仲良くなったのかが気になるところ。正反対とも言えるふたりだからこそ、再会後のテンションにも差がある。

1話は主に奏の視点で描かれていたが、奏のかつて好きだった人への想いの表現が絶妙。

「連絡先を交換したけど、連絡が来るとは限らない」

「食事に行こうって言っていたけど、社交辞令だよな?」

真城から連絡が来なかったとしても、傷つかないように自分の心に予防線を張る。

いざ、連絡が来るとまた好きになってしまうのが怖くて返信もしないし、電話も出ない。こう書くとめんどくさいタイプだと思われそうだけれど、「ああ、この人は自分の心を守ることに精一杯なんだな」ということがわかる。ここに辿りつくまでにきっとたくさん悩んで苦しんだのだろう。

そういう人の殻を破るのが真城のような真っすぐなタイプなのだ。連絡がつながらないことから、真城は再会した喫茶店で奏を待ち伏せする。もはや力業だ。

そこで、奏は泣きながら自分が同性愛者であること、高校時代に真城が好きだったこと、そして真城と再会したことでまた好きになりたくないことを泣きながら伝える。奏の泣き方が切なくて、観ていて胸が痛くなる。こんなふうに泣かれたら、好きじゃなかったとしてもその場で心が動いてしまいそう。

そんな奏に対して、真城は自分も奏が好きだと伝える。もちろん、奏はすぐに信じられない。高校時代、真城に彼女がいたことも知っている。自分が言う好きとは違うだろうと言うが、真城は本気のようで……。

一応、奏にとって真城はあくまで「高校生のときに好きだった人」で今は違うという認識のようだ。「また好きになりたくない」と言う時点でもう想いがあふれてしまっているではないかと思うが……。

その想いに気づかせるためにこれから真城ががんばるというところだろうか。今のところ、奏の心がとても傷ついていることが分かり、観ていて切なくなる。ただ、オープニング映像とエンディング映像ではとても幸せそうなふたりが描かれているので、ハッピーな展開になるであろうことを期待したい。

なにせ、タイトルが『雨上がりの僕らについて』だ。1話ではたくさん雨が降っていた。ラストでは雨が上がり、空にかかった虹をふたりで見上げていた。2話からは、雨は降らないのだろうか。


第1話の視聴はこちらから

公式サイトはこちら

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