『雨上がりの僕らについて』第10話 過去の記憶が池田匡志“奏”の心を蝕む
同窓会の案内が届き、真城の強引さに押される形で帰省することになった奏。真城と一緒だということで笑顔は見えるものの、やはり元気はなく…。
池田匡志&堀夏喜がW主演を務めるドラマNEXT『雨上がりの僕らについて』の第11話が、9月3日にU-NEXTにて独占先行配信された。
同窓会のため、地元に帰省した奏(池田匡志)と真城(堀夏喜)。奏は辛い記憶も多い地元に帰ることに躊躇していたが、真城に引っ張られるようにして帰省。その結果、同窓会では楽しい時間を過ごすことができた。
しかし、真城との仲睦まじい様子を偶然、父親に目撃されてしまう。頭ごなしに怒る父親に対して、「縁を切る!」と啖呵を切ってしまう。引っ込みがつかなくなった奏だったが、真城はもう少しだけがんばってみたらどうかと声をかける。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
どうやら、真城はお酒が入るとイチャイチャしたくなるタイプらしい。酔ってキスしようとしたことを謝った上で、奏を諭す。奏の言葉は明らかに勢いで言ってしまったこと。きっと、これまでの不満も爆発した部分があるのだろう。
でも、確かにこのままケンカ別れのようになったら、奏は一生後悔するはず。それも、一生引きずるレベルで。視聴者が分かるぐらいなので、真城はおそらく百も承知。背中を押し、その上で「どうしてもダメだったら俺たちの家に一緒に帰ろう」とちゃんと安心感も与えてあげるのはさすがだ。
ここで奏は思い切った行動に出る。帰宅した奏は母と妹に自分は男性が好きなのだと打ち明けたのだ。驚く妹に対し、母は落ち着いた様子を見せる。
このとき、ふたりに取り乱されたら、きっと奏は傷ついただろう。覚悟していたとしても、だ。妹も最初はうろたえたものの、「誰を好きになってもお兄ちゃんはお兄ちゃんだよ」と伝える。サラリと言った言葉だけれど、これは本当に深い言葉だな、と思う。誰を好きになるかによって、その人自体が変わるわけではない。変わるのは周りだ。周りが勝手に見る目を変えてしまう。これは恋愛だけに限らず、いろんな場面で起こることだろう。
そして、母も妹も奏のことをよく分かっている。打ち明けてしまったことで「これでよかったんだろうか」という悩みが生まれていた奏。そんな奏の気持ちを晴らすかのように部屋に押し掛け、3人で寝ようと提案する。奏はもしかすると、内側ばかりに視線が向いてしまっており、気がついていなかったのかもしれない。本当は味方がたくさんいたのに。
そして、父親との対話にも踏み出す。話をしなければ分からないことはたくさんある、ということはふたりの会話を見ていると実感する。
それぞれに価値観がある。父親は一人前の男になった瞬間の誇らしい気持ちを奏にも感じてほしかったのだろう。でもなかなかうまく伝わらない。奏はそんな父の期待に応えられないことに苦しんでいた。共通するのは、お互いを大切に思っていたからこそ、だ。
父親も、突然、息子の知らない側面を目の当たりにして取り乱した。そこから理解しようと試みた。そう考えると、とても良い父親だ。ちょっぴり頑固で、言葉足らずなだけで。
奏も、もう少し早く父親のそんな一面を知っていたら違っただろう。
今回の帰省で奏は父親の気持ちにも、父親が好きだという本当の気持ちにも気がつくことができた。ここからが、奏家の新たなスタートとなるのかもしれない。
奏も、真城も、親との関係を改善することができたのは、互いの存在があったからこそ。自分のことを分かってくれている、自分の幸せを願ってくれている存在がいるのはなんて心強いことなのだろう。互いの存在が互いを救っている。
次回、最終回。ふたりは、自分たちの歩く道をどのように作っていくのだろうか。
第11話の視聴はこちらから
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