世界最高峰の総合格闘技(MMA)団体として、世界最高のMMAアスリートが名を連ねるUFC。U-NEXTがライブ配信する2025年7月20日(日本時間)開催の『UFC 318』では、ライト級5位”マックス・ホロウェイ”と、同級6位の”ダスティン・ポワリエ”がBMFのベルトをかけて戦うメインイベントが実現。また、フェザー級11位タイの”ダン・イゲ”と”パトリシオ・ピットブル”が戦うフェザー級マッチでも注目を集めている。
今回は試合を直前に控えおこなわれたメディアデーにて、マックス・ホロウェイが語った心境や意気込みをお届けする。
「パーティーを台無しにするために、ここにいる」
──今回のイベントはBMFベルトの初防衛戦となりますが、この試合はあなたとダスティン・ポワリエという存在そのものが、BMFを定義するようなカードになると思います。試合ウィークに入った今、この対戦についてどう感じていますか?
ホロウェイ:興奮してるよ。同じ相手に2敗している状況から、3度目の対戦でベルトを防衛するなんて機会は、そうそうあるもんじゃないからね。だから俺にとってはこれが2度目の挑戦。だから興奮してるんだ。
──昨日フェイスオフがありましたが、彼はあなたが少し大きいことに驚いたと言っていました。にらみ合いから何を感じ取りましたか?
ホロウェイ:彼はファイターで“犬”だ。それが顔に出てる。もしみんながペイパービューを買う理由が欲しいなら、あのフェイスオフの映像を友達に送ってくれよ。そういうことだったからさ(笑)。素晴らしいにらみ合いだった。お互い集中して、準備万端さ。何が懸かっているかわかってるんだ。これが彼のラストダンスであり、俺はそのパーティーを台無しにするためにここにいる。
──ここは敵地ともいえますが、雰囲気はどう感じていますか?あなたはファンにとても愛されていますが。
ホロウェイ:みんなすごく親切だよ。ここの人たちは最高だし、食べ物も素晴らしい。DC(ダニエル・コーミエ)とのインタビューで言ったんだ。「入場する時、俺がブーイングされることを願ってる」ってね。これは彼の最後の試合だ。彼の故郷を代表してるんだから、俺をブーイングしてくれよ。だってもし俺たちがハワイにいたら、ハワイのファンは対戦相手を間違いなくブーイングするからね。
──そのヒール的な側面を受け入れているように見えます。インタビューを見ていると、この試合に向けていつもより少しエッジが効いているようにも感じます。
ホロウェイ:まあ、そういうことさ。俺はパーティーを台無しにしたいんだよ。それが俺の仕事なのさ。最悪な役回りだけど、言ったように、俺は彼と戦って勝ったことがない。2回目の対戦の時、俺は13連勝中だったけど、彼は俺にヒドいことをした。だから彼の引退試合で、今度は俺が彼にヒドいことをしなきゃと思ってる。
──フェザー級が完全に過去のものになった今、フィジカル的にはどう感じていますか?ようやくランキングからも外れましたね。
ホロウェイ:やっとさ(笑)。俺が脅すまでかかったんだから、意味がわからないよ。気分は最高さ。このキャンプに集中できて、「もしかしたら(フェザー級に)戻るかも」なんて考えずに済むだけで全然違う。特定のサプリメントが摂れないとか、そういうこともないしね。
この155ポンド(ライト級)でのキャンプは最高だよ。たくさん食べられる。145ポンド(フェザー級)の時だと「ああ、食べたい」と思っても、体重計に乗って「クソッ、無理だ」ってなることがあったんだ。だから、今回のキャンプははるかに楽しいよ。
──ダスティンは、あなたのカスタムショーツがクールだと話していました。
ホロウェイ:ああ、知ってるよ。でも、そろそろショーツの色を変えさせてほしいな。売れるのはわかってるんだからさ。カスタムショーツを手に入れられる選手はみんなすごいよ。俺はその一人でいられることがただ幸せなんだ。俺は最初の一人だったから、最高だね。
──彼はウォークアウトにリル・ウェインを連れてくるそうですが、もしあなたの引退試合で誰かに歌ってもらえるとしたら誰を選びますか?
ホロウェイ:俺の友人のモキ・ボーイに決まってる。『HawaiianKickboxer』を歌う男さ。彼じゃなきゃダメだ、他の誰かだったら失礼にあたる。俺はこれからもずっと『HawaiianKickboxer』で入場する。だからもし彼がライブでやってくれるなら、ヤバいだろうね。
「ハワイはルイジアナで何かを成し遂げないといけないんだよ」
──ダスティンへの2度目の敗北は、急なオファーで身体を作る時間もなかった中での接戦でした。あの敗戦に特別な悔しさはありましたか?
ホロウェイ:いや、腹は立ってないよ。そういうもんだからね。試合を受けたのは俺自身だし、勝つつもりで受けた。彼から何も奪うつもりはないけど、すごく競った試合だったのは確かだ。多くの人は、俺が第4ラウンドで膝蹴りを受けてカットしただけで、あれがなければ全く違う試合だったと思ってくれてる。土曜(日本時間日曜)の夜、俺たちがやってきたことを見せるのが待ちきれないよ。
──前回のライト級での試合の時とは、身体の違いを感じますか?
ホロウェイ:ああ、もちろんさ。違いを感じる。前回の試合の時、俺の頬骨はもっとはっきり見えたはずだ。骸骨みたいだったからね。今はここにいられて嬉しいよ。みんな、違いがわかるだろ?俺がどれだけ大きいかって話をしてる。気分がいいよ。俺はハワイのポリネシア人だから、その大きな足首や手首を見せられて嬉しいね。
──あなたはキャリアの中で何度も「終わった」と言われながら、その度に復活してきました。今回ダスティンに勝てば、またタイトル戦線に戻れると信じていますか?そして、イリア・トプリアとの再戦は実現できると思いますか?
ホロウェイ:ああ、もちろん、100%だ。全ては“瞬間”次第さ。もし俺が出て行って、『UFC 300』のような瞬間をつくり出せたら…タイトルショットはすぐそこだ。もしタイトルショットじゃなくても、ナンバーワンコンテンダーショットのすぐ近くだ。俺たちはエンターテインメントビジネスにいる。外に出てその瞬間をつかめば、俺が次じゃないなんて誰が言える?
──その“瞬間をつくる”ことは戦略の一部ですか?「クールなことをしなければ」という気持ちはありますか?
ホロウェイ:あるさ、特にダスティンのような男と戦うならね。みんな「最後の10秒、お互いに殴り合おうぜって感じでグラウンドを指さしたらどうする?」って聞くけど、ダスティンの方が俺より先にやるかもしれないぜ?彼はそういう男なんだ。ダスティンの試合と俺の試合を見て、退屈な試合を一つでも見つけてみてくれよ。無理だろ?
俺たちは「君のお気に入りのファイターの、そのまたお気に入りのファイター」なんだ。誰かに総合格闘技を観させたいなら、土曜の夜にチャンネルを合わせろってことさ。
──ちなみに彼は「もしあなたが地面を指さしたら、テイクダウンを狙う」と言っていました。
ホロウェイ:ああ、聞いたよ。微塵も信じてないね。そんなフリをして、オーバーハンドの左でも狙ってくるんじゃないか?
──あなたは引退試合で“コリアン・ゾンビ”と対戦しました。誰かの引退の相手に選ばれるというのは、特別な気持ちになりますか?
ホロウェイ:光栄なことさ。コリアン・ゾンビはレジェンドだからね。実は彼、今回のために韓国からわざわざ来てくれるんだ。俺たちは彼やその家族と親しくなったから、素晴らしいことさ。ダスティンとも、そういう友情を築けるかもしれないね。
──あなたは非常に長いキャリアを築いてきました。UFCファイターとしての回復方法について教えていただけますか?
ホロウェイ:ああ、たくさんあるよ。村が必要なくらいだね。UFCに長くいるから、今では医者の友達がたくさんいるんだ。いつでも電話できる医者の友達がいると最高さ。リハビリの専門家もいるから電話一本で対応してくれる。
多くのことが必要だし、多くの人の助けが必要なんだ。それに妻の協力も大きいし、食事も関係してる。若い頃は何でも食べてめちゃくちゃ太ってたけど、今は何か食べると胸焼けがするから、賢くならないとね(笑)。食事と回復を真剣に考えること、そして周りに助けてくれる友人や家族がいることがいつも大事だね。
──息子のラッシュくんはもう随分大きくなりましたね。この試合を前に、彼から何かアドバイスはありましたか?
ホロウェイ:いやいやいや、ないよ。彼はあまりファイターじゃないんだ、サーファーだからね(笑)。だから、もし彼が俺に格闘技のアドバイスをしてきても、「ブラザー、これは水の中じゃない、陸の上なんだから落ち着け」って言うだろうね。
──イスラム・マハチェフ選手がウェルター級に上がることについて、どう思いますか?彼はそこで通用するでしょうか?
ホロウェイ:彼は大丈夫だと思うよ。でも、みんなジャック(・デラ・マダレナ)を甘く見すぎだ。ジャックは今、世界で最高のファイターの一人だと思うし、もしその試合が実現したら、みんなそれに気づくと思う。多くの人が思っているより、ずっとタフで楽しい試合になるはずさ。みんな理由もなくジャックを軽視してるけど、甘く見ちゃいけないよ。
──イリア・トプリア選手も、もしイスラム選手が勝てばウェルター級に上げて挑戦したいと話しています。そうなるとライト級の状況は混乱すると思いますか?
ホロウェイ:どうなるかな。もし彼がそれを実現したら、今の彼の実績を考えれば、誰も否定するのは難しいだろ?とんでもないスーパーファイトになるだろうしね。彼のパンチ力は信じられない。「おい、ここにいろ」なんて泣き言は言えない。もし彼が階級を上げるなら、それに値する男だよ。すごく興味深い試合になるだろうね。
──『UFC 300』でゲイジーをノックアウトしたあのブザービーターの瞬間は、最高の感覚でしたか?
ホロウェイ:ああ、100%最高の最高だよ。普通の人なら、ルーレットで赤に100ドル賭けて、それが当たった感じを想像してくれ。あの瞬間は、その感覚が1000倍になったようなもの。あの感覚は非現実的だったさ。
──この試合に向けて、モチベーションはどれくらい高いですか?
ホロウェイ:地獄のようさ、やる気満々だよ。誰だって負けを取り返したいと思うもんだけど、この男は俺に2回も勝ってるんだぜ?それに、昔ハワイ大学のアメフトチームが、ここルイジアナのシュガーボウルで負けたことがあるんだ。ハワイはルイジアナで何かを成し遂げないといけないんだよ、ブラザー。
U-NEXT全試合ライブ配信(予定):7月20日(日)7:00~
見逃し配信:8月19日23:59まで
解説:髙阪剛、実況:市川勝也
視聴はこちら:https://video.unext.jp/genre/martial?lc=LIV0000009751&rid=FS00138