中村倫也“陣内”が闇堕ちで復讐の鬼へ…髙橋海人“才木”が救世主となるか『DOPE 麻薬取締部特捜課』第6話
髙橋海人、中村倫也主演、性格正反対のふたりによる刑事ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』第6話をレビュー
『DOPE 麻薬取締部特捜課』第7話は、ジウ(井浦新)の言う「次なる扉」が開かれた回だった。ここでは、その扉が開く直前にあった陣内鉄平(中村倫也)と才木優人(髙橋海人)の「対峙」を振り返る。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
陣内の妻・香織(入山法子)を殺害したのは、元同期で親友だった戸倉俊仁(小池徹平)だった。戸倉は、娘の病気を治すため悪事に手を染めたこと、香織に想いを寄せていた過去を明かす。
そんな中、陣内が明確な殺意を込めて戸倉に銃口を突きつけるシーンがあった。止めに入った才木に、鬼の形相で「邪魔するな!」と叫ぶ陣内。だが、才木も負けてはいない。「するよ!」と応え「どうしても戸倉さんを殺したいなら、俺を撃ってからにしてください」と拳銃を自分の額につけた。
才木はおもむろに現場に落ちていたジッポーを取り出す。彼は、香織が陣内に「もし私に何かあっても復讐とかしないでね」と告げていた過去を読み取っていた。
「どうして置いて行ったんですか?こんな大切なもの。わざと置いていきましたよね?俺に過去を見せてどうしてほしかったんですか?本当は復讐を止めてほしかったんじゃないですか?」
才木の問いをふりほどくように、陣内は体をそむける。
「俺にも分かんねえよ。なんで置いていったのか。でも、そうだな。俺は友達が欲しかっただけなのかもな。俺の人生を肯定してくれる誰か、俺の復讐を少しでも理解してくれる誰かが……。その上でそいつが俺を止めるなら、それが香織の意思だと。俺の運命だと受け入れたかったんだ」
才木は陣内が戸倉を殺して自分も死ぬつもりなのだと言い当てる。そして、本当に許せないのは、お腹の赤ちゃんや一番守りたかった人たちを守れなかった「自分自身」なのではないか、と。霧がかかった自分の“本音”を言い当てられて、心が浄化されていく陣内は、涙ながらにこう語り始めた。
「人生って不公平だよな。別に何も悪いことしてないんだぜ」「何も特別なことを望んでいるわけじゃない。香織と生まれてくる子どもと3人で、ただ普通に幸せに暮らしたかっただけなのに。それがこんな力持ってんのに。愛した女も一人も守れねぇで。なんで俺だけ生きてんだよ。何のために生きりゃいいんだよ」
この7年間、陣内は本当に苦しんでいた。その絶望を初めて人に明かしたのだろう。妻が亡くなってから溜まっていた7年分の涙が一気に流れ始める。
その苦しみを受け止めた才木は「香織さんはこうなることが怖くて『復讐なんてしないでね』って言ったんだと思います」と言う。自分はドープで捕まった母親を恨んでいた時期があったし、「いなくなればいい」とすら思った時期もあった。だが、今は「生きててくれて良かった」と思えている。
「(母親には)これから一生懸命生きてずっと笑っててほしいなって。きっとそれは香織さんも同じだと思うんです。陣内さんが一生懸命生きて、時々香織さんを思い出せば、きっと香織さんは陣内さんの中で笑っています。陣内さん生きましょう。頑張って生きて一緒に未来をつくりましょう」
そんな才木の魂の叫びに、陣内は「才木、ありがとな」と返して……。
この中村倫也と髙橋海人のシーンは「ドラマ」や「芝居」とは別次元の「人間味」や「リアル」を感じさせた。顔をぐしゃぐしゃにして泣いている2人の姿は人間そのもので、「この状況に追い込まれた人間ってこう泣くよな」、「陣内や才木の立場ならこう泣くよな」にピタリと当てはまる。ドラマを観て、これほどまでに心が揺さぶられるのは初めてだ。それほど中村と髙橋の演技が凄まじかった。まるで、目の前で陣内と才木が泣いているような臨場感と、登場人物の想いが突き刺さる台詞や涙がたまらなく響く。
ありえない世界線の話ではあるが、これだけリアリティを感じ、登場人物に感情移入できるのは、間違いなく中村と髙橋の演技力があってこそ。特に今回の泣きの芝居で、2人を改めて尊敬し、大好きになった人も多いだろう。そんな彼らの演技が堪能できる『DOPE』は次回から新たな局面へ。放送を楽しみに待ちたい。
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