阿部寛さんが主演を務めるTBS日曜劇場『キャスター』が佳境を迎えます。
真実を伝えるために手段を選ばず、独自のルールで取材や調査を行う破天荒な男・進藤壮一(阿部さん)が、報道番組『ニュースゲート』のメインキャスターに就任したところから始まった本作。物語はすでに最終章に突入し、とうとう進藤のルーツが明らかになります。
今回、「衝撃展開が待ち受けている」という第9話放送(6月8日21時〜)を前に、伊與田英徳プロデューサーにインタビューを実施。これからの見どころはもちろん、崎久保華役の永野芽郁さん、本橋悠介役の道枝駿佑さんの印象についてもお聞きしました。
──スタート時、本作のストーリー構成を考えるうえで、どんなリサーチをしたのでしょうか?
伊與田P:報道ネタはずっとやりたかったので、リサーチというよりも「長年温めていた」と言った方がいいのかもしれません。昔から報道の方々と会えば、いろんなお話をし、報道のやり方について教えてもらっていました。今回で言うと、(本編でも描かれた)「夜討ち朝駆け」の話もそこから来ています。そうして、いろんなことを積み重ねて、今回初めて報道部の話ができましたね。
──「報道」をテーマにしたこのドラマで伝えたかったことは?
伊與田P:ドラマの小道具のアルバイトをしていたときに、たまたま報道部の人と話をする機会があって、そのころから面白い世界だなとは思っていました。ただ、それから20年ほど経っているわけです。当時は『NEWS23』の筑紫哲也さん、『ニュースステーション』の久米宏さんなど、テレビが無茶をしてもいい時代だったので、ニュースも面白かったんですよ。
今は、コンプライアンスもあって、どの局を見ても、同じように見えてしまう…。ちょっとつまらないなと思っていました。そこで、“昔は良かった”じゃないけど、少し批判的な面から描いてみようかな、と思っていざ門戸を開いてみたら、実際はそんなことなくて。
今の報道マンの方たちは昔とは違う“守らなければならないルール”があるなかで、いかに真実を伝えるか、誠心誠意向き合い、精一杯やっている。(取材を進めるなかで)最終的には、そんな姿が描けたらいいな、と思っていました。
──進藤という巨大な存在に、華や本橋ら若手が挑んでいく構図ですが、そんな永野さん、道枝さんのお芝居についてはどうご覧になっていますか?
伊與田P:ふたりとも、阿部さんのお芝居のなかにある「内面をどうぶつけていくか」を心で感じて演じていただいていたような気がします。偉そうですが、それぞれアプローチの仕方があるなか、明らかに芝居が変わって成長してる感じがしました。
目に見えて分かるのは、ミッチー(道枝さん)のお芝居の質。そこは変わったかなっていう気がするんですよね。僕は役者じゃないから分からないこともあるけど、やっぱりお芝居って相手によって変わるじゃないですか。「自分は悲しいんだ!」、「楽しいんだ!」だけでぶつかるんじゃなくて、相手とかけあいをしながら、やりとりをしていくことに“面白さ”を感じているんじゃないかな…と思える瞬間があった気がします。
芽郁ちゃんは月9の主演俳優ですから、しっかりとした世界観を持っているし、第1話から進藤と華の対決にはワクワクしました。(永野さんが)阿部さんに負けじとぶつかって、ふたりがバチバチとやりあってる感じは見ていて面白かったですし、「なかなかの強敵が来たぞ」という印象を受けましたね。
──主演の阿部さんに期待されていたこと、演技をご覧になって感じたことを教えてください。
伊與田P:台詞にはしてあるけど「これって難しいかな?」と思うことも、グイッと乗り越えていくパワーがすごいなと思います。もちろんパワーだけでなく、引くところ、柔らかくいくところの芝居、「ここをどう切り抜けるんだろう」と思うようなシーンでも行間をしっかり埋めていく姿は、さすがだと思いましたね。
──伊與田Pと阿部さんは『新参者』シリーズ、『DCU』など、長年、数多くの作品でタッグを組まれてきましたが、また新たな一面を発見することもあるのでしょうか?
伊與田P:ありますね。華の立場になったら「この人とは二度とやらない」と思う瞬間があったのかもしれないけど、でもその裏にはちゃんと真実があって、最後は「やっぱりこの人についていこう」と思える人である…というのは、阿部さんでなければ難しかったと思います。
──現在「最終章」と物語は大詰めです。阿部さんの現場での印象的な姿があれば教えてください。
伊與田P:最終話のある人物との戦いは見応えがあると思います。阿部さんも百戦錬磨だけど、今回、さらにその上の人と戦うことになる。そんなふたりのお芝居のやりあいは見る価値があるという気はしますね。
現場ではいつもトップでやっている阿部さんだけど、最終話はどちらかと言うとチャレンジャー。先輩にぶつかっていく「チャレンジャーの阿部さん」が面白かったです。
──最終章の見どころをお聞かせください。
伊與田P:進藤がなぜキャスターになったのか、父親の死がどう関わってくるのか。そこにじつは、いろんなあやがあって、今の進藤がいる。そんな彼が自分のルーツを自分で発見していきます。そして、華や本橋は、進藤の背中を見ながら報道を学んでいきます。
第9話では、父親のルーツを探っていくなかで、ある重大な事実が分かり、大きな出来事が巻き起こります。それをどう乗り越えて報道と向き合っていくのか。そうしたことがあっても「毎日報道しなければならない」という彼らの姿勢は、しっかりと描いていけたらなと思いますね。
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