寺地拳四朗、比嘉大吾、高見亨介が“トリプル世界タイトルマッチ”への心境と決意を語る!|U-NEXT BOXING.3
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寺地拳四朗、比嘉大吾、高見亨介が“トリプル世界タイトルマッチ”への心境と決意を語る!|U-NEXT BOXING.3

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2025年7月30日、『U-NEXT BOXING.3』が横浜BUNTAIを舞台に開催される。現WBA・WBC世界フライ級統一王者の寺地拳四朗、WBA世界バンタム級2位で元WBC世界フライ級王者比嘉大吾、WBA世界ライトフライ級1位の高見享介の3人が挑む“トリプル世界タイトルマッチ”が予定されており、大きな注目を集めている。

2日後に迫った決戦を控え、ファイターたちは何を語るのか。この記事では、7月28日におこなわれた公式記者会見での質疑応答を余すことなくお届けする。

「クレバーに戦えるのも見せつつ、6ラウンドで倒したい」(高見)

──はじめに主催者を代表して、帝拳ボクシングジムの浜田剛史代表からご挨拶をお願いします。

浜田:暑い中、足を運んでいただきありがとうございます。コメントによりますと、拳四朗君が「通過点」、比嘉くんが「3度目の正直」、そして高見がずいぶん「自信満々」であるようなことを言っています。明後日の試合は、皆さんの期待通りの試合ができると確信しております。どうぞよろしくお願いします。

──それでは質疑応答に移ります。まずはWBC・WBA世界フライ級タイトルマッチに臨む寺地拳四朗選手、リカルド・サンドバル選手にお伺いします。現在の調整状況、直前のコンディションと、対戦相手の印象について教えてください。

寺地:コンディションはすごくいいですし、減量もすごく順調です。明日の計量はバッチリいけて、当日もしっかり仕上げて勝とうと思っています。相手の印象は、すごく好青年というイメージで、いい試合ができそうだなと思っています。

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サンドバル:皆さんこんにちは。コンディションは最高に整っています。トレーニングキャンプも最高の仕上がりでこちらに来ています。自分のキャリアにとって最大の試合だと思っていますので、100%準備を整えてきました。

拳四朗選手の印象ですが、素晴らしい選手だと思いました。2階級制覇、そして団体統一という素晴らしいキャリアを成し遂げるだけの選手だという印象です。頑張ります。

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──続いて両陣営にお伺いします。この試合のキーポイントはどこにあるとお考えですか。まずは寺地会長、お願いします。

寺地会長:キーポイントと言いますか、先ほど浜田代表がおっしゃられたように、拳四朗陣営としては「通過点」という認識ではいますが、決して油断はせずに今までやってきました。本当にいい形で試合を終えて、次のステップに上がっていきたいと思っております。

──ホセ・トーレストレーナー、勝つためのキーポイントを教えてください。

トーレス:皆様こんにちは。試合のキーポイントですが、とてもいい練習をしてきました。いい攻撃ができる練習です。そのことについて詳しくはここでは言えませんが、私たちは全てを出し切って戦います。

──続いて、WBA世界バンタム級タイトルマッチです。まずはチャンピオンのアントニオ・バルガス選手、現在のコンディションと対戦相手の印象を教えてください。

バルガス:コンディションは最高です。ここに来るために必要なことは全てやってきました。7月30日、自分のスキルを皆さんにお披露目したいと思います。

比嘉選手ですが、ここ3試合はビッグマッチが続いているということで、彼自身もとてもいい流れで来ているのではないかと思っています。そういった相手に自分の力を見せられる、いい試合にしたいです。

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──対する挑戦者、比嘉大吾選手はいかがでしょうか。

比嘉:いい練習ができてきたので、あとはやるだけです。対戦相手の印象は、お互いに近い距離で撃ち合うことになると思うので、そこを楽しんで、いいボクシングをしたいと思います。

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──では両陣営にキーポイントを伺います。まずエリック・エンリケプロモーター、お願いします。

エンリケ:この試合に勝つために素晴らしいトレーニングキャンプを終え、今ここに来ています。比嘉選手のスタイルに合わせたパートナーなども用意し、集中力の高い練習をしてきました。今は本当に勝つために、そして明後日、自分の選手の腕が掲げられる、そういった試合を見せたいと思います。

──野木丈司トレーナー、いかがでしょうか。

野木:やれることはやれたかな、という実感があります。尊敬する世界チャンピオンが相手ですので、精一杯ぶつかるのみだと思っています。よろしくお願いします。

──次にWBA世界ライトフライ級タイトルマッチです。チャンピオンのエリック・ロサ選手、コンディションと対戦相手の印象をお願いします。

ロサ:皆様こんにちは。コンディションは100%、スーパーな状態です。必ず勝利し、30日を勝利で飾ります。私の挑戦者については、「6ラウンドでKOする」と言っていますが、それは大きな間違いです。

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──挑戦者の高見亨介選手、いかがでしょうか。

高見:こんにちは、帝拳ジムの高見亨介です。コンディションは、メンタルも体も最高に仕上げてこられたと思っています。相手の印象は、僕が「6ラウンドで倒す」というのを警戒しているみたいなので、意外とクレバーに戦えるんだよというところも見せつつ、6ラウンドで倒したいと思います。うまい選手だな、という印象です。

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──では両陣営のキーポイントです。まずイスマイル・サラストレーナー、お願いします。

サラス:皆様こんにちは。今回の勝利の鍵は、練習の量にあると思います。120ラウンドのスパーリングを、様々なタイプの選手とこなしてきました。我々は戦いのバージョンを色々と練習してきました。もし相手が打ち合いを望むのであれば歓迎します。彼が後ろに下がるのであれば、猟犬のように彼を追って狙っていきます。

一つだけ言わせていただければ、KOを狙ってくる選手は必ずガードが下がります。もしKOを狙ってくるのであれば気をつけてください。我々はそこを突いていきます。リングの上に寝ることになるでしょう。日本のファンの皆様、ボクシングファンのために、いい試合をしたいと思います。

──浜田代表、高見選手の試合のキーポイントはどこに見ていらっしゃいますか。

浜田:いま高見は勢いに乗っていて、あまり細かいことは言わずに伸び伸びとさせているところなんです。キーポイントについては、本人はあまり考えていないようで、「勢いの良さを言ってください」ということなので、そのまま明後日は走り続けるんじゃないかと思います。

「次のステップはわからない。今はこの試合に勝つことだけ考えている」(寺地)

──高見選手に質問です。先ほどのサラストレーナーの「KOを狙ってきたらガードが下がりますよ」という発言を受けて、どんな印象を持ちましたか?

高見:めちゃくちゃガードを上げていきたいなと思っています。はい。

──ロサチャンピオンに質問です。「クレバーにも戦えるところを見せつつ、6ラウンドでKOする」という高見選手の発言を受けてどう感じましたか?

ロサ:KOを狙う時は気をつけてください。もしかしたら、私の方がそのラウンドであなたをKOするかもしれません。

──拳四朗チャンピオンに質問です。「次へのステップ」について、言える範囲で教えてください。

寺地:次へのステップがどうなるか、僕も全くわからない状況です。とりあえず今の試合に勝つことだけを考えています。スーパーフライ級に上げるというのも目標ではあります。

──WBCの暫定王者(フランシスコ・ロドリゲスJr.)との対戦が流れてしまいましたが、そのあたりは気になりますか?

寺地:気にならないわけではないです。「どうなるんかな」っていうのは気になりますけど、それぐらいですね。

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──今回のトリプル世界戦に出場する6選手のうち、主要メディアのパウンド・フォー・パウンド(P4P)ランキングに名を連ねているのは拳四朗選手ただ一人です。その誇りや評価について、この試合でどう見せたいですか?

寺地:いい試合をしたいというのはありますが、とりあえず「勝つ」ことを一番に置いています。それと、P4Pのランキングも上げたいという気持ちもあるので、そうなるとやはり勝ち方も大事なのかなと。いい勝ち方ができるような試合をしたいなと思っています。

──比嘉選手に質問です。3戦続けての世界戦となりますが、これまでの2戦と比べて2日前の心境に変化はありますか?

比嘉:あまり変わらないですね。3回連続の世界戦で、あとはもう当日を待つのみだと思っています。

──公開練習では「4度目の正直」という発言もありましたが、そういう意味では心境が違うのかなと。

比嘉:いや、変わらず一緒ですね。勝ったら嬉しい。負けたらもうそのまま引退会見します。

──(王座返り咲きとなれば)7年3ヶ月ぶりというのは、日本人男子最長ブランク記録となります。その点についてはどう受け止めていますか?

比嘉:獲ったらそうなんですけど、やはり獲らないことには何も始まらないので。獲ってからまた実感が湧いてくるんじゃないかなと。現状は何も変わらないです。いつもの試合って感じです。

──比嘉選手に伺います。コンディション面で、過去2戦よりもさらにいいと感じている部分はありますか?

比嘉:ここ2戦で一番いいところは…まあ2戦ともよかったので、今回が一番、というのはないですけど、いい感じで来ているかなと。いつも通りって感じです。

──高見選手に伺います。先ほどの質疑応答中、ロサ選手から何か声をかけられて笑顔で返していましたが、非常に生き生きした表情に見えます。これまでの試合との違いや、ワクワク感はどのように感じていますか?

高見:はい、ワクワク感はあります。さっきロサからは「You crazy(お前はクレイジーだ)」と言われて、僕は苦笑いしかできなかったんですけど(笑)。お互いすごく気持ちも高ぶっていて、自信満々の2人の戦いが見れると思うので、それはすごく楽しみにしています。

──ではロサ選手に。「You crazy」と言った意図を教えてください。

ロサ:私をKOすると言ったからです。それは全くクレイジーな話ですよ。

──高見選手、今の言葉を受けていかがですか。

高見:そうですね。なおさら倒しに行きたいなという気持ちが強くなりました。

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──寺地選手に質問です。サンドバル選手からはこれまで挑発的な発言もありましたが、それについてはどう感じていますか?

寺地:そういうのはあまり気にしないので。「試合で見せてやるぞ」とは思っています。

──この試合はアメリカでの放映も決まり、海外へのアピールという面も出てくるかと思います。

寺地:アメリカでの放映はすごく嬉しいです。そこでいい試合をすれば、よりたくさんの方が見てくれて、P4Pのランキングも上がる可能性があるのかなと思うので。そういう面ではすごく嬉しいですし、より気合いが入るかなとは思います。

「どっちかが当てて、どっちかが倒れると思う」(比嘉)

──比嘉選手、前回の試合の反省を踏まえた「内側のガード」について、試合2日前の手応えはいかがですか?

比嘉:ガード、すごいしてます。いい完成度で来ていると思います。

──沖縄タイムスの小笠原です。バルガスチャンピオンに伺います。序盤は様子見でいきたいとコメントされていましたが、理想とする試合展開を教えてください。

バルガス:この試合だけではないですが、私は序盤の1、2ラウンドでまず状況と相手のスタイルに慣れる、という戦い方をしています。今回もそうなるかなと思います。

相手のゲームプランもあるでしょうが、私には適応力と様々なファイトスタイルという持ち味があります。相手のプランに対し、自分がどんなスタイルを見せていくかを決める戦い方になると思います。

──野木トレーナー、今の発言を受け、比嘉陣営としてはどう戦いますか?また、これまでの2戦の蓄積が生きる場面はどこでしょうか。

野木:オリンピックにも出ている、素晴らしい技術を持ったスタイリッシュなチャンピオンだと思います。ですので、やはり序盤は比嘉にも自分の距離や、どういうことができそうかを確認させながら戦いのプランを決めたいと思います。

去年の武居選手との世界戦が決まった時、私は「トレーニング期間が半年あれば」という発言をしました。その後の堤戦を経て、今回のバルガス選手の試合までに、その半年間をクリアすることができました。純粋なトレーニング期間としての上積みができたと思っています。ですので、私も非常に楽しみです。

前の2戦にも増して、「比嘉大吾」というボクサーが見れるんじゃないかなと思っています。そして、仮に勝ちを得ることができれば、沖縄タイムスは多分一面で出していただけるかなと思いますので(笑)、沖縄の皆様も非常に喜んでくれると肌で感じています。そういうことを目指したいです。

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──最後に各選手に伺います。ご自身で考える試合のキーポイントと、勝ち方のイメージを教えてください。

寺地:キーポイントは距離感ですね。これはいつも通りです。フィニッシュは、後半KOできたらいいな、という感じです。

サンドバル:自分たちが立ててきた戦略に沿って戦い続けることが、勝利の鍵だと思います。KOでも判定でも、どのような勝ち方でも勝利を自分の元に導けると思います。

バルガス:勝利の鍵は、有効打をしっかりと当てていくことです。ディフェンスをしっかりした上で、クリーンショットを当てていく。試合の予測はあまりしませんが、間違いなくいい試合になるでしょう。12ラウンド戦うなら戦う。早い回で終わるなら終わる。どちらの準備もできています。

比嘉:パンチをもらわないことと、ガードですね。フィニッシュブローはわからないですけど、お互い近い距離で打ち合うと思うので、どっちかが当ててどっちかが倒れるんじゃないかなと思っています。

ロサ:これまでやってきた練習の成果を、そのままリングの上で見せるだけです。100%リングの上に投げてやりたいと思います。相手の長所を無効にし、自分のボクシングをします。30日は必ず勝利します。フィニッシュがKOか判定かは、神様が判断することです。ただ、私が勝つことは間違いありません。

高見:キーポイントは、ちょっと内緒で。展開としては、KOで倒して勝つというのが理想ですね。最後のフィニッシュのシーンもKOをイメージしています。


『U-NEXT BOXING.3』注目の対戦カード

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WBC・WBA世界フライ級タイトルマッチ〉12R
王者:寺地 拳四朗
vs.
WBC2位/WBA3位:リカルド・ラファエル・サンドバル

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WBA世界バンタム級タイトルマッチ〉 12R
王者:アントニオ ・バルガス
vs. 
同級2位:比嘉大吾

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WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ〉12R
王者:エリック・ロサ
vs. 
同級1位:高見 亨介

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