『対岸の家事』第4話、多部未華子が“プリンセス”田辺桃子を略奪? 映画『卒業』へのオマージュに反響
第4話では、田辺桃子演じる医師の妻・晶子が登場。“囚われのプリンセス”となっていた晶子を詩穂が連れ出す。ダスティン・ホフマン主演の映画『卒業』へのオマージュと見られるワンシーンも反響を呼んだ。
4月29日に放送されたTBS系火曜ドラマ『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』第5話では、元・お笑いコンビ「和牛」の川西賢志郎演じる礼子(江口のりこ)の夫・量平がついに本格登場。ほぼワンオペで家事と育児をしている礼子に無神経な一言を投げかける。一方、ディーン・フジオカ演じる中谷は詩穂(多部未華子)と子供の教育方針を巡って対立。絶妙に視聴者をイラっとさせながらも、憎めなさを残す2人の好演が反響を呼んだ。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
詩穂は礼子に誘われ、長野家と村上家でグランピングへ行くことに。さらには偶然にも海外赴任から一時帰国していた樹里(島袋寛子)も含めた中谷家が加わり、三家族が大集合した。
虎朗(一ノ瀬ワタル)が中谷と熱い抱擁を交わしたり、妻たちが夫との馴れ初めを語りあったりと、しばらくは微笑ましい時間が流れる。ところが、グランピングも終盤になってきた頃、和やかな雰囲気が一変。
きっかけは中谷が詩穂に子供の習い事を強引に勧めたことだった。
少し前にも詩穂と苺(永井花奈)を英語の体験教室に連れ出した中谷。就活では必ずと言っていいほど、「ガクチカ(学生のうちに力を入れたこと)」が問われる。
その人が何を経験し、どのような姿勢で取り組み、どんな課題にぶつかり、どうやって解決しようとしたか…。企業はそれを見て、採用の有無を判断するわけだ。当然、アピールするエピソードが少なければ少ないほど就活では不利になる。
将来を見据える中谷は佳恋(五十嵐美桜)が困らなくてもいいように、今から色んな体験をさせてあげたいと考えていた。
「“体験”は親から子へ贈る武器」であり、それを少しでも多く授けることが「親としての責任」。
そう中谷に言われた矢先、詩穂はグランピングで普段はなかなか接することのない同年代の子どもたちと遊ぶことで、新しい言葉を覚えたりと楽しそうな苺を目の当たりにする。
嬉しい一方で、苺から“体験”の機会を奪っているのではないかと不安になる詩穂。そこに中谷から再び追い立てるように習い事を勧められたことで、「中谷さんの正しさをこっちに押し付けないでください!」とみんなの前で不快感を露わにしてしまった。
かつては詩穂もまた、親から“体験”を奪われた子供だった。高校生の頃、専業主婦だった母(紺野まひる)が病気で急逝。父の純也(緒形直人)は最初こそ家事をやってくれていたが、次第にやらなくなり、代わりに詩穂が請け負うことに。
今までやってもらって“当たり前”だった家事は想像以上に大変で、部活も友達と遊ぶ時間も諦めざるを得なかった詩穂。状況は違えど、“体験”を奪っているという意味で父と自分の姿が重なって見えた。
そんな詩穂の話を聞き、礼子は「詩穂ちゃんは毎日色んなものを苺ちゃんにあげてると思う。苺ちゃんとずっと一緒にいるから、詩穂ちゃんが専業主婦だから、苺ちゃんにあげられてるものだってきっとある。絶対あるよ」と断言する。その言葉に詩穂だけじゃなく、多くの人が救われたのではないだろうか。
詩穂は退部したバスケ部の最後の大会で元チームメイトの髪の毛を結んであげたことがきっかけで美容師になった。そこに客としてやってきた虎朗と出会い、恋に落ちて結婚。そして、苺が生まれた。
もし詩穂が部活を続けていたら美容師にはならず、虎朗とも出会わなくて、苺は生まれなかったかもしれない。結果論に過ぎないけれど、今の詩穂は苦い体験も無駄じゃなかったと思えるのだった。
無理やり“武器“を探そうとしなくても、人生のすべてが“体験”で、ひいてはそれが自分の“武器“になる。「“体験”できなかったっていうのも一つの“体験”で、それだっていつかは武器になるかもしれないですよ」という詩穂の言葉に救われた中谷にもまた、母から教育虐待を受け、子供らしい“体験”の機会を奪われた過去があった。
そんな母との忌まわしい記憶に苦しめられながらも、「転んでもただでは起きない」の精神で佳恋を優しく抱きとめる中谷の姿に涙腺が思わず緩む。
「結婚後も仕事を続けさせてくれるなら、多少の性格の難には目を瞑る」と言って中谷と結婚した樹里だが、そういう不器用だけど素直で一生懸命なところを憎からず愛しているのではないだろうか。
憎めないといえば、初回の放送ぶりに姿を表した礼子の夫・量平も。イベント会社で日々忙しく働いていて、家事にも育児にもほぼ不参加な量平もそれこそ礼子から色んな機会を奪っている人間だ。礼子から詩穂に8万払ってシッターを頼もうとしたことを聞き、自分がその原因を作っているにもかからわらず、無神経にも「本末転倒じゃない?」と言ってしまうところがリアルでイラっとさせる。
だが、人の痛みに鈍感ではない。礼子を傷つけてしまったら、しっかり反省して謝罪し、半休をとって夫婦で向き合おうとする。一長一短の奥行きのあるキャラクターをディーン・フジオカと川西賢志郎が好演しており、視聴者からも「川西さん、演技上手い」「根は悪い人じゃないし家族への想いもあるけど、こうなっちゃってる世の旦那は多いだろうな…って共感させるツボをしっかり押さえてるなぁ」「中谷さん、変な人で好き。おディーン様がやるのが良いよね」「あのなんともいえない可笑しみは何?過去も含めて愛おしい」と反響を呼んだ。
今回も癒されるエピソードだったが、ラストでは礼子に「村上詩穂 あなたのような専業主婦はお荷物です」という手紙が届き、一気に不穏な展開に。おそらく犯人は、以前から詩穂を恨めしそうに眺める謎の女性(織田梨沙)なのだろう。
さらには詩穂がかつて逃げた父・純也がすぐ近くまでやってきている。穏やかな詩穂の日常は2人の登場で大きく揺るがされていきそうだ。
第5話の視聴はこちらから
第6話の予告編はこちら
第4話では、田辺桃子演じる医師の妻・晶子が登場。“囚われのプリンセス”となっていた晶子を詩穂が連れ出す。ダスティン・ホフマン主演の映画『卒業』へのオマージュと見られるワンシーンも反響を呼んだ。
詩穂(多部)がピンチに陥った礼子(江口のりこ)から子どもを預かる。そこで問題となってくるのが、育児を“肩代わり”した分の報酬。放送後には、劇中で登場したワード「肩代わり制度」がX(旧Twitter)でトレンド入りを果たした。
第2話では、ディーン・フジオカ演じる育休中のエリート官僚パパ・中谷が登場した。中谷の「専業主婦は贅沢」「旦那さんがかわいそう」発言に詩穂はモヤモヤ。そんな詩穂に夫の虎朗がかけた言葉が「めちゃくちゃ良い旦那」と視聴者から絶賛されている。
厚生労働省に勤務するエリート官僚で2年間の育休を取得したパパ・中谷達也を演じるディーン・フジオカさんにインタビュー。
礼子を演じる江口のりこさんにインタビュー。本作出演にあたって感じた思いや、江口さんが考える“対岸の相手”の意味合いを語っていただきました。
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