『対岸の家事』三家族がついに全員集合!川西賢志郎&ディーン・フジオカが憎めない男たちを好演した第5話
第5話では、元・お笑いコンビ「和牛」の川西賢志郎演じる礼子(江口のりこ)の夫・量平がついに本格登場。ほぼワンオペで家事と育児をしている礼子に無神経な一言を投げかける。一方、ディーン・フジオカ演じる中谷は詩穂(多部未華子)と子供の教育方針を巡って対立。絶妙に視聴者をイラっとさせながらも、憎めなさを残す2人の好演が反響を呼んだ。
5月6日放送のTBS系火曜ドラマ『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』第6話は、時代によって変化する“ロールモデル”がテーマ。働くママ・礼子(江口のりこ)は社内で行われる講演会に、新たな時代の“ロールモデル”として登壇することに。あらゆる生き方を肯定し、エールを送る力強いスピーチが大きな反響を呼んだ。
※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
バラエティに富んだ料理が並ぶビュッフェ。どれも美味しそうで、つい盛りすぎちゃうけれど、一つのお皿に全ての料理を乗せることはできない。
そんなビュッフェを人生にたとえ、「本当に必要なものかどうか、吟味しないとね」と語るのは、礼子の営業部時代の上司・陽子(片岡礼子)だ。厳しくも頼りがいのある陽子は礼子にとって憧れの人で、陽子にとっても礼子は可愛い後輩だった。
礼子の出産を機に疎遠になっていた2人だが、社内で行われる講演会の登壇者選出を任された礼子が女性社員の“ロールモデル”として陽子を推薦したことで再び縁が繋がる。一度は断られるも、根気強く説得した結果、陽子に承諾をもらえた礼子。
ところが、部長に「ワークはあるけど、ライフはない」という理由で陽子の登壇を却下されてしまう。
部長の言葉に思わず「はぁ!?」という声が漏れたのは、きっと筆者だけではないだろう。誰よりも早く会社にきて、誰よりも遅くまで会社に残り、休む間もなく働いてきた陽子。
結果だって他の男性社員より遥かに示してきたのに、昇進は一番遅かった。今よりも男女格差が著しかった頃は、女性が仕事で成功するにはきっと男性の何倍も努力しなければならなかったのだろう。
だから、陽子はビュッフェ形式で選んだのだ。全部はお皿に乗せることができないから、結婚や出産という選択肢を諦め、仕事に生きる人生を。その選択をさせたのは会社側なのに、その言い草はないじゃないか。
おそらく少し前なら、陽子の生き方は最先端だったに違いない。しかし、ひとたび“ワーク・ライフ・バランス”の考えが浸透し始めると、その生き方は「時代遅れ」とされる。陽子とは対照的な詩穂(多部未華子)の生き方も然り。
かつて主流だった専業主婦は女性の社会進出に伴い、「絶滅危惧種」と呼ばれる存在に。あえて専業主婦を選ぼうものなら、怪訝な顔をされる。それだけではなく、夫の稼ぎで生活しているというだけで「男の人に甘えている」と揶揄する人も。
さらには中谷(ディーン・フジオカ)の同僚で、仕事と育児・介護の両立や復職を支援するプロジェクトを推進する厚生労働省の職員から「せっかく手に職(美容師資格)を持っているなら、社会に生かすべき」と言われた詩穂は心が揺れるのだった。
現代の“ロールモデル”は、女性も男性も、中谷や礼子のように仕事と育児を両立している人たちなのかもしれない。だが、本人たちは自分が“ロールモデル”と呼ばれることに戸惑いを感じていた。
部長から「今目指すべきは君のような人」と講演会の発表者に選ばれた礼子だったが、出産してから毎日が必死で、以前のようにバリバリ働くことは叶わず、とても自分が“ロールモデル“とは思えない。
中谷は必死で“ロールモデル”になろうとしているが、そのせいで妻の樹里(島袋寛子)に自分が考えた計画を押し付けてしまう。そして内心は、育休中に出世していく同僚を見て焦りを感じているようだ。
そんな中、詩穂と中谷とのビュッフェ形式のランチでモヤモヤの正体が分かった礼子は講演会で陽子のことを語る。「キャリアを中断せず、階段をどんどん登っていく、そういうありえたかもしれないもうひとりの自分。だから、眩しかったし、羨ましかった」という礼子。
きっと、それは陽子も同じで、結婚・出産後も仕事を続ける礼子を眩しく思う瞬間もあったのではないだろうか。恐ろしいほどのスピードで価値観が変わっていき、どの生き方を選んでも「間違いだったんじゃないか」と思わされる社会で、誰もがときどき誰かを羨ましく思いながら、自分の道を必死で生きている。
「私は自分の選んだ道を進んでいるだけです。皆さんもひとりひとり違う。だから、誰かから押し付けられるんじゃなくて、ひとりひとりが、自分にとっての、自分だけのロールモデルを見つければいい」
その言葉に一体、どれだけの人が救われたことだろう。あらゆる人の生き方を肯定し、「一緒に頑張ろう」とエールを送るような礼子のスピーチは「礼子さんの講演、泣いちゃう」「みんな違ってみんな良いのよ」「今の自分でいいんだなって思えた。礼子さんありがとう」「さっ、明日も自分のために働くか!!」と視聴者の背中を押したようだ。
スピーチを聞いていた陽子は、ずっと言えなかった「おめでとう」と礼子に告げて出向先に旅立っていく。パワハラ疑惑をかけられ、事実上の左遷だった。
もちろん、パワハラと捉えられるような言動は慎むべきだが、何十年と会社に貢献してきた人が簡単に梯子を降ろされるのは切ない。それでも、最後まで笑顔を忘れない陽子の再起を願わずにはいられなかった。
仕事のことだけではなく、知美(田中美佐子)から父・純也(緒形直人)と一度会ってみてはどうかと言われ、迷っていた詩穂だが、考え抜いた末に今はどちらも「しない」という選択を取る。
「虎朗も美味しいって食べてくれるし、ありがとうって言ってくれる。ちゃんと私の家事を受け取ってくれるんです。今の家族が私には一番大事なんです」と知美に伝える詩穂。
しかし、その虎朗(一ノ瀬ワタル)は居酒屋のバイトの女の子からモーションをかけられており、純也も詩穂の周辺をうろついている。本人は気づいていないが、脅迫状の犯人も未だ不明のままだ。
さらには母親のような存在である知美に認知症の疑惑も浮上し、否応なしに詩穂の生活が変化していく予感がする。一方、夫の量平(川西賢志郎)から地方への転勤を告げられる礼子。中谷も夫婦間で問題が生じ、三者三様が試練の時を迎える。
第6話の視聴はこちらから
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第5話では、元・お笑いコンビ「和牛」の川西賢志郎演じる礼子(江口のりこ)の夫・量平がついに本格登場。ほぼワンオペで家事と育児をしている礼子に無神経な一言を投げかける。一方、ディーン・フジオカ演じる中谷は詩穂(多部未華子)と子供の教育方針を巡って対立。絶妙に視聴者をイラっとさせながらも、憎めなさを残す2人の好演が反響を呼んだ。
第4話では、田辺桃子演じる医師の妻・晶子が登場。“囚われのプリンセス”となっていた晶子を詩穂が連れ出す。ダスティン・ホフマン主演の映画『卒業』へのオマージュと見られるワンシーンも反響を呼んだ。
詩穂(多部)がピンチに陥った礼子(江口のりこ)から子どもを預かる。そこで問題となってくるのが、育児を“肩代わり”した分の報酬。放送後には、劇中で登場したワード「肩代わり制度」がX(旧Twitter)でトレンド入りを果たした。
第2話では、ディーン・フジオカ演じる育休中のエリート官僚パパ・中谷が登場した。中谷の「専業主婦は贅沢」「旦那さんがかわいそう」発言に詩穂はモヤモヤ。そんな詩穂に夫の虎朗がかけた言葉が「めちゃくちゃ良い旦那」と視聴者から絶賛されている。
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