「勝利への道筋は一つ。拳を叩き込んでショーを終わらせること」ロバート・ウィテカー、注目のデ・リダー戦に向けて完全決着を宣言|UFCファイトナイト・アブダビ
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「勝利への道筋は一つ。拳を叩き込んでショーを終わらせること」ロバート・ウィテカー、注目のデ・リダー戦に向けて完全決着を宣言|UFCファイトナイト・アブダビ

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世界最高峰の総合格闘技(MMA)団体として、世界最高のMMAアスリートが名を連ねるUFC。U-NEXTでは、2025年7月27日(日本時間)開催の『UFCファイトナイト・アブダビ』をライブ配信する。

注目のメインイベントは、ミドル級5位ロバート・ウィテカーと、同級12位ライニアー・デ・リダーによるミドル級マッチ。また、バンタム級3位ピョートル・ヤンと同級13位マーカス・マギーが対戦するバンタム級マッチが、コ・メインイベントとしておこなわれる。2023年からUFCに参戦したシャラ・マゴメドフは、通算戦績17勝9敗1NCのマルク・アンドレ・ベリオーとのミドル級マッチに臨む。

今回は試合を直前に控えおこなわれたメディアデーにて、ロバート・ウィテカーが語った心境や意気込みをお届けする。

「ここに来るたびに、最高のショーを見せようと心がけてるんだ」

──中東へお帰りなさい。もはや第二の故郷のようですね。

ウィテカー:ああ、いつもの仕事場に戻ってきたって感じさ(笑)。

──今回の試合についてお聞かせください。当初はショーン・ストリックランドとの対戦を望んでいたと伺っていますが、今回対戦するライニアー・デ・リダーは、あなたのレーダーに映っていましたか?

ウィテカー:特にはな。でも、ヤツがボー・ニッカルを破ったあの試合ぶりを見たら、これはトップ戦線をかき回すだろうなとは思ったよ。俺が戦いたがってるのはUFCも知ってたが、その時はミドル級のトップクラスはみんな試合が決まっててね。それでUFCらしく、ヤツにオファーを出して、ヤツがそれを受けたってわけだ。

また戦えるのは嬉しいね。特にヤツのあの試合を見た後だと、面白くてエキサイティングなファイトになりそうだ。だから、今ここにいるのさ。

──間違っていたら訂正してほしいのですが、キャリアのこの段階になると、戦いたい特定の時期があって、その時に準備ができている相手となら誰とでも戦う、というスタンスなのでしょうか。これまでにトップ選手とはほとんど戦ってこられましたよね?

ウィテカー:まったくその通りだ。UFCは、俺が誰とでも戦うことを知ってる。ただ、試合のタイミングを選びたいのは、終わった後に家族との時間をちゃんと作りたいからなんだよ。

──デ・リダー選手のUFC以前のキャリアについてはどの程度ご存知でしたか?UFCでは短期間で3試合をこなしていますが、彼が他の団体でチャンピオンになった実績や、過去の試合はご覧になっていましたか?

ウィテカー:ああ、知ってはいたよ。で、試合が決まってからは、もちろん他のヤツらと同じように研究したさ。

少し調べれば誰でもわかるが、彼は非常に実績のあるファイターだ。数多くの修羅場をくぐり抜け、タイトルを懸けて戦い、他の階級でもタイトルを獲ってきた。ハードな試合になるだろうな。ヤツも俺と同じベテランだ。当日、どんな試練が待ってるか楽しみだよ。

──彼のこれまでのキャリアを追っていないファンからすると、ボー・ニッカルからいきなりロバート・ウィテカーというのは、対戦相手のレベルが格段に上がったように見えるかもしれません。あなた自身も、彼にとって大きなステップアップだとお考えですか?

ウィテカー:一概には言えないな。まあ、ある意味では「イエス」か。俺が結構イケてるって自負してるからな(笑)。

でも、実際の答えは「ノー」だ。彼はこれまでも大きな試合を経験してきてる。スポットライトを浴びてきたし、タイトルマッチや5ラウンドマッチも戦ってきた。だから試合を取り巻く環境には慣れているはずだ。とはいえ、俺みたいなファイターと拳を交えたことはないはずだけどね。

──5ラウンド制の試合についてですが、彼には経験があるものの、2021年以来、フルラウンドを戦い抜いた試合はありません。彼を後半ラウンドに引きずり込むことが、勝負の鍵になるとお考えですか?

ウィテカー:それはやってみないとわからない。まあ、見てなってことさ。

──先日デ・リダー選手に話を聞いたところ、彼は「プレッシャーをかけること」が勝利の鍵だと話していました。あなたにとっての勝利の鍵は何でしょうか?

ウィテカー:俺の拳をブチ当てること。とにかくヤツを捉える。プランはそれだけさ。俺は速いし、打撃はヤツより上だ。あとは穴を見つけて、ショーを終わらせるだけなんだよ。

──彼はどのくらいあなたと打ち合うと思いますか? それとも、すぐにグラウンドに持ち込もうとするでしょうか?

ウィテカー:間違いなく、すぐにテイクダウンを狙ってくるだろう。ヤツにも打撃はあるし、スタンドもできる。でも俺の強みが何か、そして自分の強みがどこにあるかを、ヤツは理解してる。だからこそ、それを活かすために寝技に持ち込みたいはずなんだ。

──前回の試合からの回復にはどのくらいかかりましたか?また、差し支えなければ、歯の治療費はいくらでしたか?

ウィテカー:ああ、もう100%だ。正直、抜いてすぐだったから、大して時間はかかってない。インプラントを入れて、それが馴染むのを待っただけさ。なんなら前より調子いいぜ。見た目も良くなったってさ(笑)

治療費?ああ、そいつはデイナおじさん(デイナ・ホワイト)の奢りさ。労災みたいなもんだからな(笑)。

ウィテカー main

──UFCから、なぜあなたがこれほどアラブ諸国で求められているのか説明はありましたか? ひょっとしたら、どこかの首長のお気に入りの選手だったり?

ウィテカー:いや、そんな話はないな。単純に俺のファイトがエキサイティングだからじゃないか?観てて面白いんだろ。ここで戦うのが好きだってことは、ずっと言ってきたしね。

ここに来るたびに、最高のショーを見せようと心がけてるんだ。幸運なことに、ここで戦うのはこれで5回目くらいかな? いつも良い経験をさせてもらってるよ。言ったろ?第二の故郷に帰ってきたみたいで、本当に楽しんでるんだ。

──ハムザト・チマエフ戦に話を戻します。あなたは試合前から歯に問題を抱えていたと話していましたが、もし彼が同じ技を、あなたのような問題を抱えていない選手の顎に極めたら、同じように破壊できたでしょうか?

ウィテカー:あれは顎じゃなく歯だ。歯がグラついただけ。顎はなんともない。ただ正直に言えば、そもそもあんなポジションに陥るべきじゃなかったんだ。良い状況じゃなかったからな(笑)。でも、どうだろうな?数週間後にはわかるかもしれないさ。

「この勝利が俺の新たな扉を開く」

──8月に行われるミドル級タイトルマッチ、ドリカス・デュ・プレシ対ハムザト・チマエフの試合について、あなたの意見をお聞かせください。どのような展開になると予想し、どちらが勝つと思いますか?

ウィテカー:そいつはトリッキーだな。まあ、本命を挙げるならドリカスか。確信を持って言えるのは、チマエフがドリカスをマットに倒すだろうということくらいだ。

でも、もしチマエフがそこでフィニッシュできなかったら、勝つのは難しいと思う。試合が長引けば長引くほど、ドリカスが有利になるだろう。チマエフの1ラウンドフィニッシュはずば抜けているが、判定までいった試合はどれも接戦だったからね。

──あなたにとって最も過酷な勝利の一つは、ヨエル・ロメロ戦だったかと思います。彼は現在48歳で、ベアナックル・ファイティング・チャンピオンシップと契約しました。48歳にして今なお高いレベルで戦い続ける彼をどう思いますか?

ウィテカー:ヤツは…モノが違うんだよ(笑)。ただそれだけ。作りが違う。まったく別の生き物さ。

──UFC以外の舞台で、ライニアー・デ・リダーを2度も破った唯一のファイターがアナトリー・マリキンです。彼の試合は研究しましたか?

ウィテカー:ああ、あのファイトはチェックしたよ。デカい相手だったな。

──チマエフに続き、今回もグラップラーとの対戦になります。今回のキャンプで何か変えたことはありますか?

ウィテカー:レスリングの練習量はかなり増やしたよ。大きかったのは、前回の試合で満足できなかった点を取り除いて、今回のキャンプでそこを重点的に強化したことかな。

だがスタイルで見れば、デ・リダーはチマエフとは別人だ。サウスポーで長身だからな。ヤツのフィジカルを再現するために、何人か仲間を呼び寄せたよ。

──あなたの階級には強豪がひしめいています。この試合に勝てば、次はどうなるでしょうか?

ウィテカー:先のことはわからないさ。ただ、この勝利が俺の新たな扉を開くことは確かだ。トップへの道は、この一戦から始まるんだ。

──試合がグラウンドの展開になった場合、どのようなチョークやサブミッションを警戒し、準備していますか?

ウィテカー:俺はキャリアを通してずっと柔術をやってきた。だから、自分の柔術にはかなりの自信がある。もちろん、俺の強みの一つは「オールラウンドなこと」だと思ってる。寝技より打撃戦の方が好きだが、もしそうなっても万全の準備はできてるし、きっちり対応するさ。

──最近のインタビューで、デ・リダーは「試合はグラウンドになり、終盤で自分が一本勝ちする」と話していました。お互いのスタイルが相殺し合って、退屈な試合になってしまう可能性はあると思いますか? それとも、あくまでスタンドでの勝負を望みますか?

ウィテカー:もし試合が寝技になったら、それは俺が望んだ展開じゃないってことさ(笑)。

──では、やはり打撃戦を望んでいると。

ウィテカー:ああ、俺は生まれつきのストライカーだからな。殴り合うのが好きなんだ。勝利への道筋は、この拳をヤツに叩き込んで、ショーを終わらせること。それだけさ。

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